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2023 年度 実施状況報告書

東部インドネシアバジョ集落における開発と自然環境、空間認識に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12345
研究機関上智大学

研究代表者

加藤 久美子  上智大学, 総合グローバル学部, 研究員 (50909166)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワードバジョ/サマ / インドネシア / 自然環境 / 海域世界 / 開発 / 空間認識 / 居住空間
研究実績の概要

本研究は、インドネシアスラウェシ周辺に居住する海洋民バジョを対象とし、「海に生きる」ことを核とし、生成されてきたバジョ・アイデンティティと自然環境との関わりを、同地域における開発と移住政策という事象から、考察しようとするものである。近年の埋め立て開発や定住化政策による陸への移住による居住空間の変化、及び「海に生きるバジョ」というアイデンティティの変容を明らかにするために、環境の異なる複数集落を対象に現地調査を行った。
各集落では大まかに以下のような環境の変化が起きていた。①開発による集団移住、②浸水による陸地空間の減少、③埋め立てによる土地の発生。そのほか、儀礼実践の頻度が著しく低下するなどの変化も報告されたが、これらは居住空間の変容に関連するものではなく、宗教事情の変化が大きな要因となっているようである。また、居住空間を拡張する増築のプロセス、家屋建築の技法、具体的な間取りや建築資材に関しての聞き取りも行った。
こうした調査によって、本研究が目的とする居住空間の変化に関する具体的な事例を多く集めることができた。また、アイデンティティとの関わりが強いと思われる儀礼実践の頻度、実践を求める住民の減少という事象に関しては、居住空間や自然環境の変容だけでなく、宗教実践として慣例をどのように捉えるのかという観念的な変化が大きく関わっていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画していた現地調査が順調に進み、複数の集落に渡って、想定していた以上の成果を得られた。

今後の研究の推進方策

今後は、開発計画などの具体的な資料も収集し、変容過程を時系列に沿って整理し、聞き取り調査に基づいて得た情報と合わせて分析を行うことを試みたい。また第一回の現地調査で明らかになった親族関係と家屋増築、建設許可の関わりについて、さらに詳細なデータを収集し、親族関係と居住空間の動態に関しても、具体的な考察を深めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

現地調査の時期・期間を見直したため、次年度以降の使用額を前倒しで請求した。十分な調査結果を得て、研究成果をまとめる必要があるため、調査計画を見直し、5年間を想定している研究期間の前半で調査を終わらせ、残りの期間に研究成果の整理とまとめ、発表の準備を行うこととした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 住むところとしての「海」:南東スラウェシ・バジョ集落の居住空間の生成に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      加藤久美子
    • 学会等名
      2023年度第5回KAPAL研究大会

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公開日: 2024-12-25  

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