| 研究課題/領域番号 |
23K12459
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| 研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
白 羽 東北大学, 経済学研究科, 講師 (10972846)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| キーワード | Locust swarms |
| 研究実績の概要 |
過去1年間、本研究計画は順調に進展しました。具体的には、2004年にブルキナファソで発生した蝗害が児童の人的資本蓄積に与える短期・中期・長期の影響について、体系的な分析を完成させました。蝗害が学生の入学機会、学習達成度、将来的な認知能力に及ぼす影響を詳細に検証し、自然災害が人的資本形成に与える長期的影響を明らかにしました。この成果は既存文献に新たな知見を加え、外的ショックと人的資本発達との関係理解に貢献しています。
また、この成果はThe Singapore Economic Review Conference 2024にて発表し、多くの著名な研究者との活発な議論を通じて、有益なアドバイスと高い評価を得ました。特に分析方法の精緻化や理論的枠組み強化に関する指摘は、今後の研究発展に大いに参考となっています。
蝗害が児童の人的資本蓄積に与える影響を研究する一方で、発展経済学の他の分野、特に児童誘拐の原因に関する研究も進めました。このサブプロジェクトも本研究費により推進され、中国農村部と都市部における誘拐リスクや経済的要因に着目した2本の実証研究を完成させました。これらの成果は2024年と2025年にそれぞれ『Journal of Economic Behavior & Organization』および『Journal of Comparative Economics』に掲載されました。これら2本の論文は、発展途上地域における社会問題の要因に対する理解を一層深めるものであり、本研究計画において学術的な進展と成果を達成する上で重要な役割を果たしました。 これらの取り組みは、元々の研究テーマの自然な延長線上に位置づけられるものであり、研究費を活用してより広範な学術的探求を促進したことを示すものでもあります。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在、第一プロジェクト『蝗虫の侵入が人材資本の蓄積に及ぼす影響』に関する論文は、最終仕上げ段階にあり、全体の進捗は非常に順調です。近いうちにワーキングペーパーとしてまとめ、できるだけ早期に一流の学術雑誌へ投稿する予定です。同時に、蝗虫の侵入による中途退学が労働市場の長期的なパフォーマンスに与える影響を検討する第二プロジェクトも開始しており、必要なデータはすでに全て収集済みです。今後は、詳細なデータ分析に着手し、この研究の成果を順次整理してまとめる計画です。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず第一プロジェクトのワーキングペーパーを発表するとともに、第二プロジェクトにおける基礎分析の成果を完成させることを目標としています。また、より大規模な国際学会で研究成果を発表する計画も進めております。これにより、成果の信頼性を一層向上させるとともに、蝗虫入侵問題に対する国際的な認知と関心を高め、最終的にはこの問題の解決に向けた実効的な政策提言に繋げていく所存です。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、訪問予定先の研究者との日程調整に時間を要したため、当初予定していた期間内での出張が困難となったことによります。次年度においては、調整済みの日程に基づき、研究打合せおよび資料収集のための出張を予定しております。
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