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2023 年度 実施状況報告書

水素エネルギーの普及に向けた国際枠組みの設計

研究課題

研究課題/領域番号 23K12467
研究機関広島大学

研究代表者

高島 伸幸  広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (20761331)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード国際環境協定 / 気候変動問題 / 水素エネルギー / エネルギーセキュリティ / 発展途上国 / ゲーム理論
研究実績の概要

水素は気候変動問題およびエネルギー危機の解決に不可欠なエネルギー源であり,水素エネルギーの導入促進に向けた国際協力体制の在り方を示すことの意義は大きい.本研究の目的は,国際環境協定とよばれる各国の協力枠組みを拡張し,水素エネルギー導入に向けた国際枠組みの設計およびその成立条件について,ゲーム理論を用いて明らかにすることである.
本研究では水素エネルギーの特徴として次の2つを考える.(1)水素のタイプとして化石燃料由来と再生可能エネルギー由来が存在する.(2)水素エネルギーの導入により,温室効果ガス排出削減だけでなくエネルギーセキュリティ強化も達成される.(1)と(2)の水素エネルギーの特徴を反映させた分析により,水素エネルギーの導入を通して「温暖化対策」と「エネルギーセキュリティ強化」を同時に実現する国際枠組みを示し,グリーンリカバリーの実現およびエネルギー危機の解決への貢献を目指す.
今年度実施した研究は,主に次の通りである.まず先行研究のサーベイとして,国際環境協定の枠組みで汚染削減技術の改善を実施する方法について分析した文献を中心に精読を行った.また,基礎段階の研究として,1回限りのゲームや繰り返しゲームなどのゲーム理論的分析手法を用いて,各国による汚染削減技術の投資行動を国際環境協定の制度に盛り込み,改善された技術のもとで多数の国による汚染削減協力を維持するための制度に関する分析を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画で挙げた基礎的分析を順調に進めることができた.その分析結果については,今年度,全国規模の学会で報告を行い,そこでのディスカッションで得られたコメントをもとに改訂を行った.研究論文としてまとめた後,査読付きの国際誌への投稿を目指し改訂中である.基礎的研究が順調に進展していることから,次年度以降での更なる発展につながることが期待できる.

今後の研究の推進方策

1年目の結果を更に発展させて,水素技術の特徴をより濃く反映させ,協定成立条件の検討を行う.計画を進めるにあたって,最新の国内外の研究動向を把握し,本研究の国際的競争力を高め,国際的に評価される研究成果が得られるようにしたい.最新の研究動向の把握に向けて,関連文献を精読し,また国内外の研究者との交流も積極的に行いたい.

次年度使用額が生じた理由

最新の研究動向を反映させる作業や査読者からのコメント対応に時間を要したため,成果報告のための英文校閲や発表などを次年度に実施することとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] International environmental agreements among asymmetric countries for technological development: a collaboration with third-party organizations2023

    • 著者名/発表者名
      高島 伸幸
    • 学会等名
      日本経済学会2023年度秋季大会

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公開日: 2024-12-25  

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