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2023 年度 実施状況報告書

地球温暖化が子どもの学習に及ぼす影響とその対策

研究課題

研究課題/領域番号 23K12492
研究機関神戸大学

研究代表者

明坂 弥香  神戸大学, 経済経営研究所, 助教 (40844593)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード温暖化 / 人的資本 / 生産性 / 健康
研究実績の概要

本プロジェクトでは、温暖化が子どもの学習や労働市場での生産性に与える影響に着目した研究を行っている。2023年度は,(1)温暖化の進行に伴う花粉の増加が生産性の低下に与える影響、(2)夏の暑さが子どもの学習成果に与える影響について分析を行った。
(1)の研究では、2007-2019年の救急搬送データ(消防庁提供)を用いて、花粉飛散量と事故の発生件数の間に有意な相関があることを明らかにした。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、我々が現在の経済活動を継続した場合、2100年までに日本の平均気温は約4.2℃上昇すると予測されている。そこで、花粉と事故の関係を分析した推定結果をもとに、温暖化による花粉飛散量の増加が引き起こす事故数を推計し、花粉の増加によって起こる事故の経済損失額を試算した。その結果、2100年には、花粉に誘発されて起こる事故によって年間少なくとも236億円ほどかかることがわかった。
(2)の研究では、日本全国の小中学生を対象とした学力調査のデータを用い、前年の暑さが学力調査の点数に与える影響を分析した。分析の結果から、小学校6年生を対象にした試験結果では、前年の暑さが成績の低下をもたらすことが分かった。一方で、中学校3年生の試験結果ではそのような関係性は観察されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)の研究は、学会やセミナーでの報告を行った他、論文をDiscussion Paperとして公開するに至った。(2)の研究は未だ分析途中ではあるが、現時点での結果をまとめた内容がAmerican Society of Health Economicsの口頭報告に採択されるなど、順調に進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

(1)の研究をブラッシュアップして国際誌への投稿を行う他、(2)の研究を2024年度中にディスカッションペーパーにすることを目指す。

次年度使用額が生じた理由

リサーチアシスタントを雇用してデータの構築を行う予定であったが、目ぼしい学生を見つけることができなかったため、人件費を翌年に繰り越すことにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The effects of gender-specific local labor demand on birth and later outcomes.2024

    • 著者名/発表者名
      Mika Akesaka, Nobuyoshi Kikuchi
    • 雑誌名

      Labour Economics

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.labeco.2024.102546

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] “Invisible Killer”: Seasonal Allergies and Accidents2023

    • 著者名/発表者名
      Mika Akesaka, Hitoshi Shigeoka
    • 雑誌名

      National Bureau of Economic Research Discussion Paper

      巻: 31593 ページ: -

    • DOI

      10.3386/w31593

  • [学会発表] “Invisible Killer”: Seasonal Allergies and Accidents2023

    • 著者名/発表者名
      Mika Akesaka
    • 学会等名
      The 8th Hawaii-Kobe Conference on Applied Economics
    • 国際学会
  • [学会発表] “Invisible Killer”: Seasonal Allergies and Accidents2023

    • 著者名/発表者名
      Mika Akesaka
    • 学会等名
      The Asian Association of Environmental and Resource Economics, annual meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 『人流データの活用と進展』2023

    • 著者名/発表者名
      明坂弥香
    • 学会等名
      日本経済学会 秋季大会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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