研究課題/領域番号 |
23K12522
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
曽我 寛人 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (70803211)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 国際ビジネス / 文化的知性 / 起業志向 / アントレプレナーシップ |
研究実績の概要 |
異文化とアントレプレナーシップの側面に注目した検討を行った。具体的には、東南アジアに所在する日系子会社に対してwebにて調査を行い、企業のデータを得た。そのデータを用いて、異文化理解力である文化的知性、組織の戦略的柔軟性、組織的なイノベーション力、起業志向の関係についての分析を実施した。 先行研究に基づいて、以下の仮説を立てた:①文化的知性は戦略的柔軟性に正の影響を与える、②文化的知性は組織のイノベーション力に正の影響を与える、③文化的知性は起業志向に対して正の影響を与える、④起業志向は戦略的柔軟性に正の影響を与える、⑤起業志向は組織のイノベーション力に正の影響を与える、⑥起業志向は文化的知性と戦略的柔軟性の関係を正に媒介する、⑦起業志向は文化的知性と組織イノベーションの関係を正に媒介する。 データの構造やコモンメソッドバイアス等に関する大きな問題がないことを確認した上で、仮説検証のための構造方程式モデリングによる分析を行った。その結果、上記の①と②については棄却され、③~⑦については支持された。つまり、文化的知性は組織の戦略的柔軟性やイノベーション力に対しては影響を与えない一方で、起業志向を媒介することにより文化的知性がそれらに対して影響を与えることが分かったのである。また、文化的知性が起業志向を高めることも確認された。こうしたことから、従前の研究において十分に検討されていなかった文化的知性が組織に対する影響を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題で焦点を当てる異文化とアントレプレナーシップに関する調査及び分析ができたことから、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で焦点を当てる国際的な実務の側面について検討することが必要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画と比べて遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。遅れを取り戻すことにより使用することができる。
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