研究課題/領域番号 |
23K12680
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
築地原 里樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (00835548)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 家事動作計測 / ヒューマノイドロボット / モーションキャプチャ |
研究実績の概要 |
ヒューマノイドロボットの家庭環境における動的な動作獲得に向けて,本研究では人間の生活空間における棚内外の整理作業を解析することで,ロボットの動作計画に必要な人間姿勢のキーポイントを抽出する.生活空間内の家事動作における,裏で支える肘の開きや胴体の傾きなどの冗長部位が作業達成の速さや身体負荷へ貢献できると確認している.本研究では,冗長部位と筋活動を相互関係を調査することで,家事における人間のコツを抽出する.RGB画像から簡便に家事の負担を評価するシステム構築に向け,冗長部位と筋活動を用いて深層学習モデルの獲得を狙う.令和5年度は以下の内容について研究した. (1) 家事動作における準備動作の解析:家庭環境内の整理作業を模擬した左右の棚を並べた環境を準備,モーションキャプチャカメラを設定し,動作を解析した.フォースプレートや6軸力センサなどの他のセンサを同期し,動作中の力覚情報を比較できるように実装した.同期した力覚情報を組み合わせDhaibaWorksを用い動力学計算を行い,各関節に発生するトルクを計算し動作特徴を抽出した.左右の整理動作を計測し準備動作が発生するタイミングを取得することができた.また,丁寧度合いが必要となる整理動作を計測し,準備姿勢確立後に少数の自由度を使用し動作していることが確認できた. (2) 3点保持ロボット実験:ヒューマノイドロボットの両手先と胸の3点保持と両手先のみの2点保持に発生する運動方程式を作成しの実験を実施し,HRP-4実機においてロボット各関節における負荷トルクの減少を確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家事動作における準備動作の解析 (1) については機器やプログラムの実装を行い,少数の被験者において有意差を持った結果を得ることができた.国内学会発表において他の研究者と議論し内容を精査でき,査読付き国際会議論文採択まで達成できた.今後被験者を増やし有意差の精度を検証する.3点保持ロボット実験 (2) については査読付き国際会議論文採択まで達成できた.
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今後の研究の推進方策 |
左右の棚に対する実験では少数の被験者に対して計測し有意差を確認できたが,被験者を増やし汎用性のある特徴量かどうかを検証する必要がある.丁寧度合いを測る実験では準備姿勢と固める関節を特定できた.今後は手先の動きについて調査する.
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次年度使用額が生じた理由 |
半導体不足により,前年度までの納品が不可能となったため次年度使用とし,物品費として使用する計画である.
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