研究課題/領域番号 |
23K12702
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
爲廣 響子 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部バイオ技術グループ, 研究員 (30965869)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 皮膚バリア / 細胞老化 |
研究実績の概要 |
本研究は、ランゲルハンス細胞において細胞老化が皮膚バリア形成へ与える影響の解析を目的としている。令和5年度では、ランゲルハンス細胞に適した細胞老化の誘導手法の確立を目標とし、これまで報告のあった複数の手法を用いて、単球に刺激を入れることで細胞老化誘導の検討を行った。細胞老化の指標としては老化マーカーであるp16、p21、p53の発現やSA-βGal活性、細胞増殖、細胞の形態変化、SASP産生を主な老化指標と捉え、各誘導方法(薬剤を用いた手法4種および継代老化)における変化を比較した。継代回数が多い細胞(P60)と比較的少ない細胞(P20)を用いて老化指標を比較したところ、SA-βgal活性や細胞形態などに変化はなく、少なくとも40回程度の継代回数の差では細胞老化が誘導できないことが明らかとなった。一方薬剤を用いた残りの手法ではいずれもSA-βgal活性の顕著な増加や老化マーカー発現増加が認められ細胞老化が誘導されていることを確認した。また、各手法ごとに老化指標を比較したところ、誘導法により老化指標変化の傾向が異なることも明らかとなった。 以上のことから、単球に適した細胞老化誘導の確立に成功したため、今後は単球をランゲルハンス細胞へ分化させた上で上記手法を用いて老化誘導を行い、各誘導法における特徴の解析やRNA-seq解析への発展を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度はランゲルハンス細胞に適した細胞老化誘導手法の確立を目標としていた。実際に、複数の方法を試し、SA-βgal活性上昇およびその他の老化指標項目もクリアできた3手法で細胞老化が誘導できていることを確認した。 ランゲルハンス細胞に分化させてから老化を誘導するのか、老化を誘導させてからランゲルハンス細胞へ分化させるのかなど検討すべき課題は残っているが、大きな目標は達成することができたため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
細胞老化を誘導したランゲルハンス細胞を用いてRNAseq解析を実施する。 さらに発現変動が確認された遺伝子が皮膚のバリア機能形成や周辺細胞との相互作用への関与の有無を精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定だった試薬の在庫が国内および国外になく、年度内に入手する事が出来なかった。来年度以降の実験を充実させるため、次年度以降に合わせて使用する。
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