研究課題/領域番号 |
23K12771
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
日下 智志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00909591)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | メタ認知 / 協同学習 / 算数・数学教育 / ルワンダ / モザンビーク |
研究実績の概要 |
数学教育における個別学習におけるメタ認知スキルの様相については,欧米諸国等の先進国を中心として明らかになりつつある。しかしながら,協同学習におけるメタ認知スキルおよびそれらの個別学習との関係性については明らかとなっていない。本研究では,公用語が異なるアフリカ諸国2か国(モザンビーク,ルワンダ)の中等教育を対象として,数学教育の協同学習おけるメタ認知スキルおよびそれらの個別学習におけるメタ認知スキルとの関係性を明らかにし,理論化することを目的とする。 この研究課題に対し、まずルワンダを事例として研究を進めた。まず、個別学習に焦点をあて、数学の文章題を解く際に、生徒がどのようなメタ認知を活用しているかについて、現地で調査を実施した。その結果、文章問題の正答者も誤答者はメタ認知を同様に活用しているが、活用場面が正答者と誤答者で大きく異なることが明らかとなった。正答者は、解法の計画の段階で活用しているのに対し、誤答者はその場面での活用が少なかった。これらの結果を、国際学会「16th annual International Conference of Education, Research and Innovation(ICERI)」で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように本年度は、ルワンダの生徒の個別学習におけるメタ認知の活用に関する調査を実施した。その結果、生徒のメタ認知の活用に関する特徴及び授業でそれを促進させるための示唆を得ることができた。その結果を、国際学会「16th annual International Conference of Education, Research and Innovation(ICERI)」で発表した。 さらに、分析結果を論文としてまとめ、国際誌「Metacognition and Learning」に現在投稿中である。このことからも本科研の現在までの達成度としては「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、協同学習における生徒のメタ認知の活用に関する調査が必要である。令和6年度も同様にルワンダでデータを採取し考察を深めたい。また,メタ認知に関する国内外研究者との議論を継続して行い、国内外の学会での発表も視野に入れて研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた物品を購入しなかったため差額が生じた。次年度の渡航費に充てたいと考えている。
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