研究課題/領域番号 |
23K12777
|
研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大谷 洋貴 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (40825238)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 統計教育 / 教科・科目等横断 / 教科書分析 |
研究実績の概要 |
統計教育の充実を図るためにはそれを算数・数学科の内部でとどめるのではなく教科・科目横断的に実施する必要があり,現行学習指導要領でもカリキュラムマネジメントの重要性が指摘されているが,現状ではその実現のための情報や資料が決定的に不足しており,各教科・科目を相互に関連付けることは困難といわざるを得ない。本研究では教科・科目横断的な統計教育の実現を目指して,次の3つの問いに取り組むことを計画している:各教科・科目ではどのような統計的な知識や活動がどのように位置づいているか,各教科・科目で扱われる統計的な知識や活動にはどのような特徴があるか,各教科・科目の統計的な知識や活動をどのように関連付けることができるか。 2023年度は,第一と第二の研究課題に関わって,高等学校情報科および国語科,小学校理科において扱われている統計的な知識や活動を抽出するとともに,それらを算数・数学科と対比することにより特徴を明確にすることを試みた。一部の研究はその教科の専門家と協働して実施した。算数・数学科以外の教科であっても,それを統計的な知識として明示的に取り扱っていないだけであり,各教科・科目で統計教育が潜在的になされ得ることを指摘した。高等学校情報科では数学科よりも高度な統計的知識が取り扱われる可能性さえあることや,小学校理科では教科の制約によって統計的な知識を潜在的にしか取り扱うことができない可能性を指摘した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いくつかの教科・科目では,各教科の学習指導要領解説において,算数・数学科の統計教育との連携が言及されている。そのうちの高等学校情報科と小学校理科についての分析を進めることができた。 また,本研究は教科書分析を主たる研究方法として位置付けているが,2024年度より各学校種で教科書の更新が行われるため,新旧の両方の教科書について分析を進めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,各教科・科目の教科書分析を進め,研究成果を逐次発表する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初,分析に使用する教科書を初年度に購入する計画であったが,2024年度より段階的に教科書の更新がなされるため,教科書を購入するタイミングを変更したことが大きい。次年度以降では,教科書の購入に充てる金額が生じるため,全体として使用計画に変更はない。
|