研究課題/領域番号 |
23K12896
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安部 主晃 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (80804319)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 調査項目の選定 |
研究実績の概要 |
令和5年度(2023年度)は当初計画に遅れが生じ、研究1の調査の実施には至らなかったが、調査項目の選定および測定手続きの計画作成が完了した。 研究1では調査実施における参加者の負担を軽減するため、重要他者とのコミュニケーションに焦点化した測定を行うこととした。本研究課題を検討するうえで、研究1は日常レベルの重要他者とのコミュニケーションプロセスを検証するための重要な研究である。しかし、測定頻度の多いデイリーレベルの調査は参加者の負担が大きく、最小限の負担で仮説を検証できるデータを得るためにも、項目の選定は重要な作業であると言える。そのため、デイリーレベルの調査研究を行った先行研究および本研究課題に関連する論文を購読し、コミュニケーション場面における具体的な行動レベルの変数のみを測定する項目を選定した。 また研究1ではオンライン調査を実施するにあたり、不誠実な回答のスクリーニング方法についても検討を行った。オンライン調査における不誠実回答は昨今の調査研究の分野では数多く議論されている問題である。そのため、適切なデータを判別するためにも、スクリーニング方法の検討は重要である。そこで令和5年度は、同様のオンライン調査を実施した先行研究や、不誠実回答への対策について議論している論文を購読し、本調査でのスクリーニング方法を決定した。 今後は、本調査手続きについて倫理審査を受け、速やかにデータ収集を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1の調査手法である頻度の高い縦断調査に関して、関連論文の購読や有識者に助言を求める中で、当初の調査計画の見直しが必要となった。具体的には、当初計画していた調査項目や調査頻度の多さから、参加者の負担の増加や、調査からのドロップアウト率の増加が見込まれたため、当初計画している仮説を検証できる範囲内で、調査項目および調査頻度を大幅に減らすこととなった。そのため、研究にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1では、参加者が複数の尺度に2週間毎日回答する計画を作成していたが、参加者の負担とドロップアウト率が高まることが予想される。そのため、現在は仮説の検証が可能な範囲内で調査項目を削減し、調査頻度を減らすことで対応する予定である。具体的には、2週間毎日の測定ではなく、週1回の調査を4回にわたって実施する予定である。研究1については、調査項目の選定が終了し、今後は所属機関の倫理審査を受けて速やかに調査を実施する予定である。 また、令和6年度は、計画通り研究2を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究1の調査項目および調査手続きの見直しのため、当初計画に遅れが生じ、研究1が実施できなかった。そのため、研究1の調査実施費用として想定した助成金が使用されず、次年度に使用することとなった。今年度(令和5年度)の使用を予定していた助成金は今後、計画通り研究1の実施費用として使用する。
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