研究課題/領域番号 |
23K12974
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
野崎 雄太 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 講師 (40822648)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | ホモロジーシリンダー / LMO 関手 / 結び目 |
研究実績の概要 |
境界付き3次元多様体であってホモロジー的に良い条件を満たすものをホモロジーシリンダーと呼ぶ。ホモロジーシリンダーの間には境界の張り合わせによって積が定まり、それらの集合はモノイドとなる。このモノイドは、曲面の写像類群や3次元多様体の有限型不変量さらにホモロジー同境群と深く関係し、低次元トポロジーの重要な対象が交錯する場と言える。本研究の目的は、ホモロジーシリンダーのなすモノイドから得られる群について、その構造の解明を目指すことである。 今年度は、ホモロジーシリンダーの研究で鍵となる LMO 関手について、佐藤正寿氏(東京電機大学)と鈴木正明氏(明治大学)と共同研究を行った。 特にホモロジーシリンダーのなすモノイドから得られる群において、従来とは異なるトーション元の存在を確認し、その成果を論文として執筆中である。 さらにホモロジーシリンダーを記述する際に結び目が重要な役割を果たす。そこで結び目の研究の一環として、Michel Boileau 氏(Aix Marseille University)と北野晃朗氏(創価大学)と共同研究を行い、その成果を論文として執筆中である。 以上の研究成果を国際集会「Mapping class groups: pronilpotent and cohomological approaches」などで発表した。また、国際集会「Topology and Geometry of Low-Dimensional Manifolds 2023」を主催し、本研究に関連する情報収集や議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目ということもあり、現時点で論文等の成果物はない。しかしホモロジーシリンダーや結び目に関して着実に理解を進めており、実際に複数の論文を執筆中である。したがって、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究において、LMO 関手への理解が進んだ。来年度はその成果を基に、ホモロジーシリンダーのなすモノイドから得られる群のトーション元に関する研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の異動に伴い、計画に変更が生じた。現在進めている共同研究の研究打ち合わせの旅費等として使用する計画である。
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