研究課題/領域番号 |
23K13108
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
阿部 裕悟 都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 准教授 (30792452)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 高階微分重力理論 / 繰り込み可能性 / ヒッグスポテンシャル / 量子補正 / 高階微分スカラー理論 |
研究実績の概要 |
ヒッグス理論を介して量子重力理論の実験的なヒントを得るために、高階微分重力理論+ヒッグス理論において、1-ループ有効ポテンシャルの計算を進めた。その計算過程の中で経路積分時の負ノルム(ゴースト)粒子計算方法に関して、正ノルム粒子との違いはどのような点にあるのかという新しい問題に取り組む必要性が生じた。負ノルム粒子は高階微分重力理論のみに現れるものではなく、高階微分理論全般に共通する問題であるため、重力理論よりも解析が行い易い高階微分スカラー理論を扱う判断に至った。負ノルム粒子の量子補正計算の振る舞いと役割をより詳細に考察するために、高階微分スカラー理論+ヒッグス理論に着目し、正ノルムスカラー粒子と負ノルムスカラー粒子双方でのヒッグスポテンシャルに対する量子補正を計算し、解析を進めている。 部分的に得られた結果に関して、高階微分重力理論に関連した理論的な理解を深めることが出来るため、研究協力者と共に現在論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の計画として、1年目に高階微分重力理論+ヒッグス理論の枠組みで、ヒッグスポテンシャルへの重力量子効果を計算し、実験的なヒントを得るために素粒子標準模型で見つかっている素粒子への影響を解析する計画であったが、高階微分重力理論の負ノルム粒子の寄与に関して詳細な考察が必要となった。そのため、まず高階微分スカラー理論を扱い負ノルム粒子の寄与を理解することで、重力理論計算にも関連した知見を得ることが出来ると予想し、研究の進度と方向性を修正する判断に至った。
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今後の研究の推進方策 |
高階微分スカラー理論+ヒッグス理論の研究で得られた理解に関して、研究協力者と共に現在論文執筆中であり、まずはこの論文を仕上げて発信する。得られた知見に基づき、再び高階微分重力理論+ヒッグス理論の計算に戻り、当初の予定であった素粒子標準模型で見つかっている素粒子への影響を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題とは別の科研費研究課題に関して、コロナウイルスによる影響から延長申請が生じている状況であるため、まず延長済課題に関しての使用を優先し、国際会議などに参加した。そのため予算執行の観点から、今年度の本研究課題での予算執行額が減少している。今後は繰り越した使用額を踏まえ、国際研究会や国内研究会の双方に参加し研究発表を行う予定である。また協力研究者先に滞在し、研究打ち合わせを行う計画である。
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