研究課題
2016年7月に米国・NASAの木星周回衛星Junoが史上初となる木星極軌道に投入された。それ以来、申請者は同機に搭載された波動観測装置で取得したデータを中心に解析し、木星の雷の新しい様相を明らかにしてきた。木星の雷は散在しているが、電波や紫外・可視・近赤外の多波長に渡り複数の物理現象を有し、それぞれ相互に関係したり、時間的にも空間的にも激しく変動したりしていることから、従来は事例研究にとどまっていた。本研究では、Juno探査機の延長ミッションを活かして、Juno探査機に搭載された複数の観測機器で得られる多波長観測データから木星雷を統計的に調査し、木星大気のダイナミックスを探査する。2023年度は、Juno探査機で観測された周波数150kHz以下の分散性を有するミリ秒単位で変化するJDP波の解析を行った。その結果、PJ35まで3000以上の16msのスナップショットでJDPが1個以上観測されており、グローバル分布の作成を行うことができた。また、Juno探査機に搭載されている波動観測装置Wavesの責任研究機関であるアイオワ大学や太陽系の雷に関する研究最前線であるチェコ共和国・プラハ大学に滞在し、共同研究者らと木星の雷の研究を推進した。本年度に得られた研究成果は国内学会と査読付き論文にまとめて発表した。
すべて 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Nature Communications
巻: 14 ページ: 2707
10.1038/s41467-023-38351-6