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2023 年度 実施状況報告書

全球凍結イベントにともなうホウ素循環変動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K13199
研究機関東京工業大学

研究代表者

門屋 辰太郎  東京工業大学, 地球生命研究所, 特任助教 (60801347)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワード全球凍結イベント / ホウ素循環 / 炭素循環 / ホウ素同位体比
研究実績の概要

本研究の目的は、全球凍結イベントに関連して生じるホウ素同位体比変動のメカニズムを明らかにすることである。従来、ホウ素同位体比は海洋のpH変動の指標として用いられており、原生代後期のマリノアン全球凍結で観測されているホウ素同位体比の負異常も、この文脈に則って解釈されていた。しかし、全球凍結イベントにおいて、ホウ素同位体比から想定されるようなpH変動がおきるかどうかについては疑義が呈されており、観測されるホウ素同位体比がどのような環境変動を示すのか、明らかではなかった。本研究では、ホウ素の循環モデルを用いて理論的な研究を行うことで、全球凍結イベントに関連して起こる大陸風化率の変動がホウ素同位体比の負異常を引き起こすことを明らかにした。本研究において明らかになったメカニズムは、一般的な全球凍結イベント仮説とも調和的であり、より現実的な解釈をホウ素同位体比データに与える。また、マリノアン全球凍結における負の異常とは異なり、同時代に発生したスターチアン全球凍結ではホウ素同位体比がほぼ一定であったことが観測されている。本研究の結果に基づくと、こうした違いが氷床下での岩石風化の違いによって生じたのではないかということが示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究において、全球凍結にともなうホウ素同位体比変動のメカニズムが明らかになった。得られた結果は論文としてまとめ、すでに投稿中である。このため、本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度では、ホウ素同位体比から推定される大陸風化の変動メカニズムを、炭素やストロンチウムの同位体比など、全球凍結イベントに関連して観測されている他のパラメータの変動に基づいて検証していく。

次年度使用額が生じた理由

本年は、研究代表者の所属変更時期と重なったためアメリカ地質学会への参加をとりやめたこと、購入を予定していたコンパイラと同等の機能を持つ製品が無償で購入できたことから、残額が発生した。繰越金は次年度の国際学会への参加費・旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] JPL, NASA(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      JPL, NASA
  • [学会発表] Boron isotope fluctuation during a snowball event: what caused the different duration of Neoproterozoic glaciations?2023

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Kadoya
    • 学会等名
      JpGU 2023
    • 招待講演
  • [学会発表] Boron Isotopes Implies Difference in Syn-glacilal Weathering between Neoproterozoic Snowball Events2023

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Kadoya
    • 学会等名
      AGU 2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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