研究課題/領域番号 |
23K13368
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
呉 澤宇 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (40962147)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高温超伝導線材 / 電流輸送特性 / 非破壊・非接触計測 / 小型コイル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は高温超伝導(High-temperature superconductor: HTS)線材の応用の基盤技術となる実用環境下における電流輸送特性の非破壊・非接触計測法の開発である。HTS線材は、優れた高温・高磁界特性により定常高磁界の発生や交流モーター等への応用が期待される。超伝導線材の実用性能を決定づけるパラメータは、ゼロ抵抗で輸送可能の電流密度の最大値:臨界電流密度(Jc)である。HTSの場合は電界―電流密度(E-J)特性はなだらかとなり、直流から交流まで多様な応用環境で作動する時に誘導される電界は10-12 ~ 10-2 V/mと大きく異なり、Jc値も大きく変化することとなる。HTS線材においては、電界に対するJcの依存性の計測が極めて重要となる。 本研究目的を実現するために、(1)小型励磁コイルの設計と製作;(2)高電界領域の制御および計測技術の開発;(3)機械学習導入の基礎検討、が計画されている。2023年度では(1)と(2)を実施し成果を取得し、具体的な実績を以下に示す。 (1)本研究グループが提案と開発したロバスト性を有する導体作製技術により、小型コイルの設計および作製を取り組んだ。結果、小さい径を保ちながら比較的高い磁界発生まで実現できている。 (2)コイルの励磁テストを行い、高電界領域における動作を検討した。さらに、E-J特性の計測に実際に用いるためのシステムを整えた。 (3)機械学習を導入する方法および可能性を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した2023年度における必須項目を進めることができた。 2024年度において前年度で開発した技術をさらに応用および高度化する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では引き続き高電界領域の制御技術および、E-J特性実測を行い、得られた結果の定量性を検討する。 さらに、機械学習の導入より詳細に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の計画通りに準備が進んでいるため、余計な出費が抑えられた。来年度のシステムのスケールアップに使う予定です。
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