研究課題/領域番号 |
23K13394
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
五井 良直 京都大学, 工学研究科, 助教 (30831359)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
キーワード | 構造物ヘルスモニタリング / 異常検知 / 橋梁 / ベイズ統計 |
研究実績の概要 |
初年度は,当初の予定通り,異常指示指標を振動モードごとに分解するアルゴリズムを開発し,現在査読付き学術誌向けの論文を執筆中である.並行して,モードごとの異常検知を可視化するGUIの試案を作成した.また上記成果に関連する基礎研究は学術誌での公開に先立ち国際学会IALCCE2023にてプロシーディング論文"Uncertainty quantification of modal properties using half year monitoring data of a plate girder bridge"を公表し議論を行った.さらに,上記研究の基礎となる異常指示指標についての理論的な裏付けを行い,オープンアクセスの査読付き学術誌Structural Control and Health Monitoringへ論文"Bridge Damage Detection Using Ambient Loads by Bayesian Hypothesis Testing for a Parametric Subspace of an Autoregressive Model"を投稿した. 加えて,上記手法の計測手順の最適化を目指し,構造工学論文集の論文"EFI法により最適化したセンサ配置を用いた鋼鈑桁橋のベイズ異常検知"の執筆に共著者として参画した.この論文は構造工学論文集Vol.69A論文賞を受賞している. また,計画を前倒しし,第二年度の目標である重み付き最適化問題の理論式の試案を構成した.データ同化に用いる骨組みモデルについてもプロトタイプを作成したが,現時点で実測における振動数をうまく再現できてない.当初の予定通り,今年度中にデータ同化及びモデル化の手法について提案する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り,振動モードごとの異常検知アルゴリズムが作成されたことに加え,当初予定を前倒ししてモデル化およびデータ同化手法の開発に着手している.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の方針を継続する.すなわち,第二年度は簡易なモデル化及びデータ同化手法の開発,第三年度は上記手法を応用した異常検知手法の開発,第四年度は有効性の検証,第五年度は総括及び実証を主な目的とする.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が当初計画より早かったため,初年度に第二年度の研究を前倒しして実施した.このため,初年度に助成の前倒し申請を行い交付が決定していた.ただし,前倒しに際しては初年度末までの進捗を事前に予想することが困難であったため,次年度使用額が発生することを前提に余裕をもって申請していた.第二年度以降も引き続き,計画の遅滞なく実施する予定である.
|