研究課題/領域番号 |
23K13453
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
牟田 諒太 都城工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (40852629)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 安全キャビネット / 数値流体力学CFD / 性能試験法 / ドラフトチャンバー |
研究実績の概要 |
本研究では,バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット(安全キャビネット)内外に形成される病原体等の汚染物質の封じ込めメカニズムを解明し,新たな性能試験法の提案を目的としている. 本年度は,JIS K 3800で規定される安全キャビネットの気流バランス試験の現場実測結果をもとにしたCFD解析を実施することで,気流バランス試験の再現を行った.気流バランス試験では,作業者保護・試料保護・試料間の相互汚染防止の3つの機能を試験する.解析結果より,3つの機能の試験における,安全キャビネット周辺の流れ場を明らかにした.また,JISで規定される気流バランス試験の試験体である枯草菌を,トレーサーガスや粒子に変更した際の,安全キャビネット周辺におけるガスと粒子の拡散状況について解析を行った.その結果,ガスと粒子ともに,安全キャビネット外への漏洩や作業台への侵入等は確認されず,安全キャビネット開口面付近にある排気口に排出された(枯草菌を使用した現場実測結果と同様の結果となった).ガスと粒子の噴霧位置から安全キャビネット排気口までの濃度場・粒子軌跡を確認すると,粒子に比べてガスの方が比較的広範囲に分布する結果となった.高性能の濃度計を利用できると仮定した場合,ガスを試験体として用いた気流バランス試験は,粒子を用いた試験よりも広く拡散するため,安全側の評価が実施できると考えられる結果となった.そのため,今後は,安全キャビネットの実機を使用し,トレーサーガスを利用した実測を行う必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JISで規格される,安全キャビネットの気流バランス試験をCFD解析により再現し,試験体を枯草菌からトレーサーガスや粒子へ変更が可能であることを数値解析的に確認している.また,トレーサーガスを使用した方が,粒子を使用する場合と比較して安全側の評価が実施できることを確認したため,安全キャビネット実機を用いた実測により検証を行う.
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今後の研究の推進方策 |
CFD解析により得られたデータの精度検証と,新たな気流バランス試験法検討のために,安全キャビネット実機を用いた実験を行う予定である.具体的には,試験体として枯草菌の代わりにトレーサーガスを使用した場合の気流バランス試験を実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に,安全キャビネットの実機を用いた実験機器を購入する予定でいたが,CFD解析後に購入することに変更したため差額が生じた.また,学会参加予定であったがオンラインでの参加となったため旅費での支出が少なかった.
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