研究課題/領域番号 |
23K13475
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
田部田 晋 北陸大学, 経済経営学部, 助教 (70965871)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Virtual Reality / 車いす / 防災 / シュミレータ / 避難行動 / 人の知覚・認知特性 / 避難行動要支援者 / プラットフォーム |
研究実績の概要 |
従来,VR関連デバイスで考慮されてこなかった人の感覚・知覚特性を心理物理学的実験から明らかにし,デバイスにその知見を実装する.さらに,VR空間と現実空間を探索したときに脳内に形成される認知地図を比較することによって,開発したデバイスでおこなわれるVR空間内の行動が現実空間でおこなわれる移動行動を評価し,避難訓練プラットフォームにて避難行動要支援者の避難行動特性を明らかとする. 本研究は,訓練時に倫理的,経済的な制約を受ける防災分野に対して,VR技術による「避難行動要支援者のための避難訓練プラットフォーム」の開発をすることが目標である.従来,VR関連デバイスで考慮されてこなかった人の感覚・知覚特性を心理物理学的実験から明らかにし,デバイスにその知見を実装し,VR空間と現実空間を探索したときに脳内に形成される認知地図を比較することによって,開発したデバイスでおこなわれるVR空間内の行動が現実空間でおこなわれる移動行動を評価する.さらに,作成した避難訓練プラットフォームにて避難行動要支援者の避難行動特性を明らかとする. 自然な移動感を生起させる装置およびシステムを開発するためには,身体動作による車いすの操作とそれに伴う視覚刺激による知覚速度を対応させる必要がある.そのため,車いすを移動させることなく,車いすの操作をおこなうことのできる装置を作成した.また,装置の完成後,実験1では視覚刺激の物理的な速度と知覚速度の関係性を明らかにする実験と知覚速度と車いすを操作するための身体動作の関係性を明らかにする実験を開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移動感生成装置を作成するために時間を想定よりも要してしまった.実験をスムーズにおこなうことができれば遅れを挽回することが可能であると考えられるため,これに注力して成果を上げる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
フェーズ1の実験結果が得られた後に,フェーズ2を開始する.フェーズ2では,は認知地図は空間的行動を決定するための基礎的な情報となる地理学的地図に似た脳内に形成される地図である.そのため,車いす利用者のVR空間内を探索したときに形成される認知地図と現実空間を探索したときに形成される認知地図を比較し,車いす利用者が現実空間でおこなう空間的行動とVR空間でおこなう空間的行動が同様であるか明らかにする.実験は以下の2つおこなう.実験1として現実空間を探索したときに形成される認知地図を計測する.実験2としてVR空間を探索したときに形成される認知地図を計測する.現実空間で形成される認知地 図とVR空間で形成される認知地図の比較は地図学的地図である現実の地図と対比し,認知地図の歪みを算出することでおこなう.
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次年度使用額が生じた理由 |
移動感生成装置の作成に時間がかかったため,次のステップに移ることができなかったことで,次年度使用額が生じた. 使用計画としては,計画書通りフェーズ1の実験の謝金,学会発表の旅費,論文の投稿料としても使用する.また,次の実験のための準備のための物品費としても利用する.
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