研究課題/領域番号 |
23K13525
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
吉岡 宰次郎 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60825214)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 渦電流探傷試験 / パルス磁界 / 熱交換器 / 内挿式プローブ |
研究実績の概要 |
本研究における2023年度の取り組み内容と目標は、検査対象である多管式熱交換器のストレート部とUベンド部を一貫して走査可能なセンサの開発である。センサ形状は提案書に記載のコイン型の積層ケイ素鋼板材に溝加工を施したヨーク材を使用した。ヨーク材の直径は使用する熱交換器(今回対象としている熱交換器の内挿部直径は16mmである。)と内挿時の0.5mmの隙間(リフトオフ)を設けるために直径15mmのヨーク材を選定した。ヨーク材の溝加工を施した部分には検出部となるコイルを巻き、その上から励磁部のコイルを巻いている。励磁条件として連続したパルスは励磁波形を使用した。励磁コイルの姿勢による磁界の影響を考慮せずにスリット欠陥での検出感度を調査するために姿勢安定用の治具を取り付けて実施した。その後、欠陥が存在しない位置で姿勢による印加磁界のばらつきに関する検討を行った。本年度に目標としていた基礎検討は遂行完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標である内挿式のパルス渦電流探傷試験用の電磁気センサの設計と製作、基礎実験による欠陥の検出感度を確認することができた。スリット欠陥の検査実験において、連続パルス波形の印加によって一般的に使用されているsin波励磁波形よりも高い検査感度が得られた。しかし、パルス波形は実験の回数誤差が大きく、定量的な評価が困難であることが分かった。とくに、強磁性配管での適用には定量性は欠かせないため、信号安定のための波形改良または、波形処理、確率評価が必要であると考えた。姿勢制御について、本提案電磁気センサは厚みが薄く、姿勢制御が困難であることが問題であった。この検討については連続パルス波形印加時のノイズの影響も含んでいるため、姿勢の違いによる検出信号の抽出、判定が困難であった。本提案電磁気センサ字体のノイズ影響は観測できたが、このノイズの原因の考察についてさらに検討が必要であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、2024年度実施予定していたスリット欠陥に限らず局所的な減肉、貫通穴欠陥の検出感度と分解能の検討を行う。これらの検討と共に、本提案電磁気センサの検査感度の改良策についての検討も行う。姿勢制御については現在発生していると思われるノイズの各原因毎のサイジングは実験で困難であるため、解析によってそれぞれのノイズの大きさの抽出を行う。具体的な方法として、姿勢の違いによる励磁磁界の影響は励磁波形によるノイズと異なり、解析によって評価が可能である。この結果から実験で得られた結果との差分が励磁印加波形による影響であると考える。また、本年度の実験結果から提案する内挿式の電磁気センサは励磁磁界の影響もあり大きく姿勢を乱すことはなかったため、微小な姿勢の影響を補完するための数値補完を加えることで欠陥検査の定量性を向上させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
「パルス磁界波形を使用した内挿センサによるき裂、減肉検査法の確立」の項目は計画時に2023年の検討内容の中で2024年まで継続して実施する検討内容があり、その材料の見積もりと設計のため2024年で購入予定 本年度の提案電磁気センサのところでは実験機器及び、試験片の検討が主であった。本年度から実施している検査手法に関する検討としては、電磁界回路の励磁回路と検出回路の設計と構築が含まれている。ここで使用する励磁波形や検出信号の種類、タイミングによって構築する回路が異なる。そのため、コンデンサや抵抗器等の予算分が2024年へ持ち越しになる計画である。具体的な購入予定の消耗品としては、抵抗(シャント抵抗)、励磁波形印加用プローブ接続器等である。
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