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2023 年度 実施状況報告書

ランダム合金触媒のボーダーレス合成によるメタネーションの新展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K13604
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

西田 吉秀  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10908924)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード二酸化炭素 / 水素 / 水素化 / メタネーション / メタン / 触媒 / 合金
研究実績の概要

二酸化炭素の水素化によるメタン化(メタネーション)はカーボンリサイクルを実現する化学変換の一つである.メタネーションは発熱かつモル減少反応であることから,低温高圧条件下でメタンの平衡収率が向上する.一方,特別な反応器を必要としない常圧反応においても200 °C以下では100%に近い平衡収率を得ることが可能である.言い換えると,低温で高い性能を示す触媒の開発によって効率的なメタンの生産が可能となり,高出力ヒーターや耐圧反応器も不要となることから,システムの導入コストや普及への障壁を削減することができる.本研究では,含浸法をベースとして金属種/組成/担体種に制限されないランダム合金触媒の合成(ボーダーレス合成)法を確立し,低温常圧でのメタネーションを可能とする触媒活性点を創出/解明することを目的とした.2023年度では,触媒担体をアルミナに固定し,様々な異種金属を合金化させる手法について検討した.試行錯誤の結果,触媒調製時における金属塩種/混合方法/熱処理方法を制御することで,相図上非混和性の異種金属同士(ロジウム-パラジウム,ロジウム-白金,パラジウム-白金,ロジウム-パラジウム-白金)を任意の組成で合金化させることに成功した.また,検討の過程において酸化物固溶体を前駆体とすることで,相図上非混和性の異種金属同士(ルテニウム-イリジウム,ロジウム-イリジウム)も合金化できることを見出した.今後は,適応可能な金属種/組成/担体種を拡大しながら,メタネーションにおける性能評価を実施する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の難所は,金属種/組成/担体種に制限されず異種金属を合金化させることである.現状,検討した担体種が限定的ではあるがロジウム-パラジウム,ロジウム-白金,パラジウム-白金,ロジウム-パラジウム-白金を任意の組成で合金化させる単一の手法を確立した.適応可能な金属種/組成/担体種を拡大していく過程において,付加的なブラッシュアップは必要になると予想されるが,基礎が完成したことから,本研究はおおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

今後は,適応可能な金属種/組成/担体種を拡大しながら,メタネーションにおける性能評価を実施する.2023年度の検討で確立した合金化手法は含浸法をベースとしているため,触媒調製に要する工数が少なく,触媒の性能評価が研究全体における律速段階になると予想される.そこで2024年度以降では半自動の触媒評価装置を設計し,律速段階のスループットを向上させることを検討する.より多くの触媒評価データを触媒調製にフィードバックさせることで,低温常圧でのメタネーションを可能とする触媒活性点の創出/解明に繋げる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 担持ルテニウム触媒の二酸化炭素のメタン変換活性に及ぼす粒子径の影響2023

    • 著者名/発表者名
      三田剛志, 西田吉秀, 羽田政明
    • 学会等名
      第132回触媒討論会
  • [学会発表] 異種金属のランダム合金化による高性能触媒の開発2023

    • 著者名/発表者名
      西田吉秀
    • 学会等名
      石油学会2023年度JPIJS講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] CO2メタン化触媒における活性金属の粒径効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      三田剛志, 西田吉秀, 羽田政明
    • 学会等名
      第33回キャラクタリゼーション講習会

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公開日: 2024-12-25  

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