研究実績の概要 |
層状構造を有するダブルペロブスカイト型酸化物の単結晶を溶媒移動浮遊帯域溶融法により育成し、高イオン伝導度を有するリチウムイオン伝導体酸化物単結晶を創製することを目的としている。 今年度は、LixLa(1-x)/3Nb1-yTayO3(LLNT)の単結晶育成について育成条件を検討した。浮遊帯域溶融(FZ)法を用いて育成雰囲気を検討した。その結果、酸素ガス気流中での育成では、溶融帯から気泡が発生し安定して結晶育成を行うことが困難であった。一方で、窒素ガス気流中またはアルゴンガス気流中での育成では、気泡は発生せず安定して溶融帯を保持でき結晶育成が可能となった。また育成速度は5mm/hで安定して結晶育成が行えた。FZ法で育成した結晶の組成分析をした結果、育成結晶中に目的組成とは異なる組成のLa-(Nb,Ta)-O相が析出していることがわかった。このことより、LLNTは、La-(Nb,Ta)-O相と液相に分解溶融することが本研究で初めて明らかになった。
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