研究課題/領域番号 |
23K13850
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
町田 光史 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (30778163)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 天然物化学 / 微生物資源 / 生物活性物質 / 海洋無脊椎動物 / 海綿 |
研究実績の概要 |
自然環境中の微生物の多くは、実験室内での培養手法では増殖できないことが知られており、海綿内微生物も例外ではない。それらの存在は、次世代シーケンサーによる遺伝子解析技術の進歩によって示され、微生物ダークマターと呼ばれている。これら難培養性微生物の割合に議論は残るもの、これら微生物種は多様性が高いことが示されている。 本研究では、海綿内に共生する難培養性微生物を特殊な培養デバイスを用いて培養し、これら微生物の増殖を開始させる活性物質の探索を目的とする。これまでの未利用であった大部分の海綿内共生微生物を培養可能化する生物活性物質を探索することは、新たな化学骨格を有する天然化合物の発見につながり、将来的には医農薬シード化合物の新たな探索源開発につながる可能性がある。 当該年度では、探索する海綿の選定を行った。本研究では、瀬戸内海の海水を使用する飼育施設で海綿を飼育し、Diffusion chamberを用いて一次培養を行い、分離株を獲得する必要がある。そこで、飼育施設で長期間飼育に耐えれる海綿種を、これまでの海綿採集の記録から選定した。次に、瀬戸内海での潜水作業により、目的とする海綿の採集を行い、採取直後に飼育施設への移送を行った。本海綿について長期飼育可能かどうか検証を行ったところ、飼育継続が比較的難しい冬季を過ぎても飼育可能であることが明らかとなった。また、採集直後の海綿内微生物叢解析も完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究には、Diffusion Chamberを用いて海綿内の微生物を分離培養を繰り返し行うためにも、飼育施設で長期飼育できる海綿の採集が必要となる。また、分離培養の再現性を担保するためにも飼育施設での長期飼育の可否を検証する必要があった。海綿内の微生物叢の変化を追跡するために微生物叢の分析も行えているため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策については、飼育している海綿にDiffusion chamberを設置し、一次培養を行い、その後寒天培地を用いた二次培養を行い、分離株を獲得する。その後、実験のバックアップ用に分離株を冷凍保存する。得られた分離株を用いて、海綿抽出物に対するコロニー形成率を指標に、海綿抽出物からの探索研究を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海綿採集後、本年度末に海綿内の微生物叢を分析する予定であったが、採集時期がずれ込んだため、微生物叢の分析を翌年度に行うこととした。よって、翌年度においては、長期飼育した海綿内の微生物叢を分析したのち、分離培養を進めていく予定である。
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