研究課題/領域番号 |
23K14001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
米田 広平 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (10829104)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ハプト藻 / 円石 / アルケノン / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
本研究では、ハプト藻のうち、円石と呼ばれる炭酸カルシウムの殻を形成するPleurochrysis carteraeと、アルケノンと呼ばれる長鎖アルキルケトンを合成する Tisochrysis luteaを対象にゲノム編集系を構築すること、円石形成やアルケノン代謝に関わる遺伝子の機能解析を行う。初年度は、両ハプト藻のゲノム編集系構築に向けたCRISPR/Cas9系システムの改良を行った。また、アルケノン代謝における不飽和化酵素(アルケノンデサチュラーゼ)の機能解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム編集系構築では、Tisochrysis luteaに用いるCRISPR/Cas9系発現ベクターの改良を行い、フコキサンチン生合成に関わる遺伝子であるVDL2に対するRGR系でのsingle guide RNA発現ベクターを構築した。Pleurochrysis carteraeにおけるゲノム編集系では、組換えCas9タンパク質を直接導入する計画が進行中であり、大腸菌での組換えタンパク質発現ベクターが完成した。アルケノン代謝研究では、円石藻Emiliania huxleyiが持つアルケノン不飽和化酵素の候補遺伝子をTisochrysis luteaへと異種発現させた株の構築を行い、機能解析を行った。結果、当該遺伝子が、C37メチルアルケノン不飽和化酵素であることが示された。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム編集系構築に関しては、改良を加えつつ、初年度に構築した系を順次適用していく。また、各種オミクス解析などを用いて、アルケノン代謝や円石形成に関わる遺伝子の洗い出しを行い、ゲノム編集系によって、機能解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
組換えCas9導入系を既製品では無く自作の発現系に変更したこと、ハプト藻へ導入するための人工遺伝子の費用が予想より安く済んだため。今後も発現系を改良していく予定なので、その予算に充てる予定である。
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