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2023 年度 実施状況報告書

自然発症モデルより同定した新規糖尿病原因遺伝子の血中インスリン濃度制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K14120
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

中野 堅太  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 動物実験施設 専任研究員 (10753189)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード糖尿病 / インスリン分泌不全 / インスリン分泌制御 / heat shock protein / 遺伝子改変マウス / ゲノム編集マウス / 疾患モデル
研究実績の概要

ihsマウスは、非肥満とインスリン分泌不全を特徴とする新規自然発症糖尿病モデルである。申請者は、遺伝学的解析や遺伝子発現解析、コンジェニックマウスを用いた解析を駆使し、ihsマウスの糖尿病の原因遺伝子を同定した。本研究では、種々の遺伝子改変マウスを用いて、我々が同定したihsマウスの新規糖尿病原因遺伝子の血中インスリン濃度制御機構および、その分子メカニズムを解明することが目的である。令和5年度は、原因遺伝子ノックアウト(KO)マウスのインスリン分解能を解析するとともに、局在解析のためのタグノックイン(KI)マウスの作製・系統化を行なった。
1. KOマウスの各組織におけるインスリン分解酵素(IDE)発現量および活性はコントロールマウスと同等であった。
2. KOマウスから分泌されるインスリンの安定性はコントロールマウスと同等であることを明らかにした。
3. ヒトインスリンをKOおよびwtマウスへ投与し、血中からのヒトインスリン消失時間を評価した結果、両系統間でインスリンのクリアランスに差は認められなかった。
以上の結果から、本遺伝子はインスリンの分解および安定性には関与しないことが示された。したがって、本遺伝子は液性因子や神経制御を介し、間接的にインスリン分泌を制御することが示唆された。
さらに、本分子の発現細胞種を同定するため、Flagあるいは、Myc KIマウスを作製・系統化を行ない、膵島における発現細胞および、細胞内局在の解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インスリンの安定性および分解に関する解析を完了し、本遺伝子がインスリンの分解に関与しないことを明らかにした。また、予定していたマウスの作製・系統化に関しても計画通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

本分子が、インスリン安定性や分解とは無関係であることが明らかになったため、今後は液性因子や神経制御を介したインスリン分泌に焦点を当て解析を進める。さらに、この分子メカニズムを解明するため、本分子の相互作用分子の同定を進める。

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していた学会がWeb開催となったため旅費が発生しなかった。生じた差額は、令和6年度の相互作用分子の解析費用に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 異種膵島移植のための新規重症免疫不全糖尿病モデルマウスの樹立2024

    • 著者名/発表者名
      中野堅太、福田沙月、後藤元人、矢部茂治、高橋利一、清水有紀子、霜田 雅之、大河内仁志、岡村匡史
    • 学会等名
      第37回 日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会
  • [学会発表] 異種膵島移植のための重症免疫不全マウスを背景とした新規糖尿病モデルマウスの樹立2023

    • 著者名/発表者名
      中野堅太、福田沙月、後藤元人、矢部茂治、高橋利一、丸山拓巳、清水有紀子、大河内仁志、岡村匡史
    • 学会等名
      第70回 日本実験動物学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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