研究課題/領域番号 |
23K14188
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森田 俊平 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (60932267)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生殖系列 / 始原生殖細胞 / 再生 / シングル核RNA-seq |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、カタユウレイボヤ幼若体における体細胞から始原生殖細胞(PGC)への分化を制御する分子メカニズムを、1細胞RNA-seq解析による 大規模データ解析と、ゲノム編集による遺伝子機能解析を組み合わせることで解明することである。胚発生初期に形成されたPGCを物理的に除去された個体は、体細胞からPGCを再び形成することで、最終的に配偶子を作り出すことができる。このような体細胞からPGCへの分化には、体細胞への分化・発生に必要な体細胞性遺伝子の発現抑制、およびPGCへの分化・発生に必要なPGC性遺伝子の発現活性化が肝要であると考えている。そこで本研究では、体細胞からPGCへの分化を制御する新規因子の同定を目指している。1細胞RNA-seq解析によって、幼若体における体細胞からPGCへの分化過程を解析するためには、幼若体PGC特異的に高発現するマーカー遺伝子を同定する必要がある。当該年度には、すでに論文発表済みであるカタユウレイボヤ幼生期の1細胞RNA-seqデータを再解析することで、幼生PGCにおいて高発現する候補遺伝子を選定し、幼若体PGCにおける発現をin situ hybridization法を用いたスクリーニングを行った。上記のスクリーニングの結果、幼若体PGC特異的に高発現するマーカー遺伝子を複数同定することができた。さらにカタユウレイボヤ幼若体を蛍光in situ hybridizationの実験条件を最適化させることができた。現在は、カタユウレイボヤ幼若体を用いて独自に行なったシングル核RNA-seqデータの解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り、前年度にシングル核RNA-seqを行い、現在そのデータを解析中である。この過程で、今後の研究計画で必要となる蛍光in situ hybridizationやCRISPR/Cas9の条件検討を進めている。したがって、本研究は、当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中であるシングル核RNA-seq解析から、体細胞からPGCへの分化を制御する因子の候補を選定し、それら候補因子に対するノックアウト実験を行う。さらにノックアウトによって体細胞からPGCへの分化が阻害される因子を同定する。PGC形成の成否は、すでに作成済みである抗Vasa抗体を用いた免疫組織化学染色を行うことで確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度はシングル核RNA-seqに必要な試薬に加えて、CRISPR/Cas9による大規模な遺伝子機能解析を行うために必要な試薬を購入するための予算を請求していたが、実際に大規模な遺伝子機能解析を行うまでには至らなかったため、昨年度は次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、計画通り遺伝子機能解析を行うために必要な試薬の購入に充てる予定である。
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