研究課題/領域番号 |
23K14189
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
全 孝静 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20837091)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / 造血発生 / 経胎盤移植 |
研究実績の概要 |
造血は生命維持に不可欠であり、造血幹細胞が生涯にわたり血液細胞を供給し続けることで個体の恒常性が維持される。造血幹細胞は胎生期に大動脈-性腺-中腎領域(AGM)から出現し、胎仔肝臓を経て出生直前に骨髄に定着する。しかし、各造血組織における造血幹細胞の成熟過程は未だ解明されていない。 本研究では、胎生期造血幹細胞の発生および成熟過程を精査し、造血幹細胞発生機序の解明を目指し、大きく以下2つの研究項目を予定している。 (1) 無血清培地による胎仔造血幹細胞の増幅法の検討 (2) 増幅した造血幹細胞の機能解析 2023年度は胎仔由来造血幹細胞培養系の検討を行い、胎生9.5日から胎生11.5日胚由来の造血幹細胞を単離し、無血清培地下での増幅を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画では、胎生10.5日および11.5日胚AGM由来の造血幹細胞の増幅を行い、フローサイトメーターによる造血幹細胞マーカー解析、成体マウスへの移植により長期再構築能の検討を行った。しかし、所属研究機関の異動に伴い動物実験(子宮内胎仔への移植実験等)に遅れが生じているため、研究の進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
造血幹細胞レポーターマウスを用いて、異なる無血清培地条件下での造血幹/前駆細胞の増幅効率を比較し、胎仔期造血幹細胞の増幅効率を最大化する培養条件を検討する。また、胎仔を対象に骨髄非破壊的移植を実施することで、レシピエントの造血組織が自然に近い状態での造血再構築能を検証する。さらに、異なる発生段階の胎仔へ造血幹細胞移植を行い、生着率と造血再構築能を比較することで、個体発生過程における造血幹細胞の生着能の変化を明らかにする。
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