現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アリ類で報告されている8つの概日時計遺伝子(period , cycle , timeless, clock, cryptochrome-m, vrille, par domain protein 1, clockwork orange)の日周発現振動を解析する。(1)単独条件の内勤個体、(2)常時活動性を示す幼虫と同居させた内勤個体、(3)単独条件の外勤個体から、4時間ごとに計7回サンプリングした。頭部からRNAを抽出し、定量PCRで各時計遺伝子の発現量を測定し、1日を単位とした時計遺伝子の発現振動を調べた。トゲオオハリアリが概日活動リズムを示す条件では、ほとんどの遺伝子で、24時間周期の発現振動が認められた。さらに一部の時計遺伝子において、常時活動時に発現振動がなかった。 概日時計の下流で働く神経ペプチドの発現・局在の日周性の分析を進めている。トゲオオハリアリの脳内において、昆虫の概日時計細胞の下流で働く神経ペプチドとして最もよく知られる、Pigment dispersing factor(PDF)の発現・局在を確認した。さらに、キイロショウジョウバエで、概日時計細胞から時刻情報の出力に関わる神経ペプチド short Neuropeptide F(sNPF)では、時計細胞であると考えられている脳領域で、陽性が確認できつつある。
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