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2023 年度 実施状況報告書

エコゲノミクスによる進化の制約機構の解明:京都御苑固有植物の花の進化は悪適応か?

研究課題

研究課題/領域番号 23K14251
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

山本 将也  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (80826834)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードゲノミクス / 悪適応 / 進化 / 花形態
研究実績の概要

本研究は、同所的に生育する姉妹種の花形態に関わる遺伝子領域の特定と、そこにかかる選択圧を定量的に評価することによって、「進化の起こりやすさ」を実証的に検証することを目的としている。本年度は、花形態の進化に関わる遺伝子領域を特定するために必要な(1)ドラフトゲノムの新規構築、そして、次年度以降の候補遺伝子の探索に用いる(2)F1の作成を行った。
(1)ドラフトゲノムの構築では、域外保全されていたカワセミソウ1個体から高純度かつ低切断のDNAを抽出することに成功し、Nnopore PromethIONを用いたロングリードシーケンスと解析を行った。これに加えて、遺伝子領域を予測をするためにカワセミソウの花・葉・根からRNAを抽出し、DNBSEQによってRNA-seqも実施した。その結果、アッセンブリサイズは1,048 Mbp(カワセミソウで推定される全ゲノム配列の85%をカバー)、30,576個の遺伝子がアサインされ、BUSCOによるクオリティ評価ではコア遺伝子セットの96.6%(Single: 83.3%, Double: 13.3%)がカバーされるドラフトゲノムを構築することに成功した。
(2)ゲノム内の遺伝的変異と花形態の関係を解析するために、カワセミソウとその姉妹種であるサギゴケを交配させ、F1を作成した。得られたF1個体は順調に生育しており、今後さらに相互交配を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた研究計画の通りに進行しており、次年度以降の解析の準備も滞りなく行えているため

今後の研究の推進方策

今後は花の形態に関するQTLをゲノム網羅的に探索するために交雑後代の個体を用いてPool-seqを行う予定である。そのために、F1個体の栽培と交配を確実に行わなければならない。この作業については、F1個体が開花次第行う予定である。また、繁殖成功度の種間比較についても実施し、生態的要因に関わる基礎データも取得していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

ドラフトゲノムの構築で当初計画していたよりコストが掛からなかったため。
生じた差額については、2年目以降に計画しているRNA-seqによる発現量比較解析やPool-seq解析におけるサンプル数の増加に充てることで、より精度の高い実験データが得られるように計画している。

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公開日: 2024-12-25  

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