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2023 年度 実施状況報告書

末梢神経切断に伴う中枢神経回路再改編に対する視床mGluR1の機能的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K14303
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

丸山 拓真  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90838103)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード末梢神経損傷 / 視床 / 一次体性感覚皮質
研究実績の概要

本研究では、「眼窩下神経切断後の視床VPm核の再改編は、視床VPm核の皮質視床シナプスの制御によって阻止することができる」という仮説を検証することを目的とする。以前の研究では、成体マウスにおいて眼窩下神経を切断すると、一週間後に視床VPm核の神経回路が改変することが明らかにされた (Takeuchi et al., The Journal of neuroscience, 2012)。また、皮質視床シナプスのシナプス後部に豊富に存在する代謝型グルタミン酸受容体mGluR1が視床VPm核の内側毛帯線維シナプスを維持する働きを有することも明らかになっており (Narushima et al., Plos One, 2019)、皮質視床シナプスが視床VPm核における感覚線維由来シナプスの維持に寄与していることが示された。令和5年度は、眼窩下神経を切断した成体マウスの視床VPm核を組織学的に観察した。視床VPm核のmGluR1の発現は、眼窩下神経切断による影響はうけなかった。しかし、眼窩下神経切断は、特定のmGluR1シグナル伝達経路の下流分子の発現には影響を及ぼした。次に、視床VPm核にフィードバック投射する皮質視床ニューロンを含む一次体性感覚皮質を組織学的に観察したところ、眼窩下神経切断によって神経活動のマーカーであるc-fosの発現が一次体性感覚皮質全体にわたって影響を受けた。令和5年度後半から現在にかけて、成体マウスの一次体性感覚野にウイルスによってDREADDシステムを発現させたマウスを使用し、眼窩下神経切断後に皮質視床シナプスを制御した際の視床VPm核への感覚線維の支配様式を電気生理学的に検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属研究室内の実験機器 (電気生理学実験装置含む)の大幅な移動や変更、マウスの一次体性感覚皮質に、化学遺伝学的手法DREADDシステムを発現させる条件検討等に時間を要したため、進行状況がやや遅れる結果となった。

今後の研究の推進方策

令和5年度に作製の条件検討を完了した一次体性感覚皮質にDREADDを発現したマウスを使用する。そのマウスの眼窩下神経を切断した直後からCNOの腹腔投与により皮質視床シナプス伝達を慢性的に増強させる。その後、視床VPm核の神経回路の解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

計画の進行状況および物価の高騰により、一部の物品の購入を次年度以降に延長したため。

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公開日: 2024-12-25  

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