研究課題/領域番号 |
23K14330
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
阿部 将大 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (60882751)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メカノケミカル合成 / メカノレドックス反応 / ヨウ素原子移動 / フッ素 / ラジカル |
研究実績の概要 |
反応物質をすりつぶすことで化学反応を起こす「メカノケミカル合成」が,有機溶媒を用いない有機合成法として, 製薬・化学工業分野から注目が集まっている.特に,圧電材料へ機械的衝撃を与えることで電子の授受を行う「メカノレドックス反応」は,光や添加剤を用いずに1電子酸化還元反応が行えるため,フォトレドックス反応に代わる新たな合成プラットフォームとして期待されている.一方,溶媒を用いない不均一反応は,反応分子がうまく分散しないため反応効率が低く,これまでに十分な科学的検証が行われていないのが現状であり,その解明が強く求められている. 研究計画書に基づき,メカノケミカル合成装置 (Retsch 社:MM 400) を用い,申請者がこれまでに見出したヨウ素原子移動反応とジアゼニル化反応の無溶媒化を検討した.種々検討を行ったところ,目的のヨウ化アルキルやアゾ化合物は得られたが,従来法の収率を超える結果にはまだ至っていない.一方その研究過程で,撹拌材である NaCl が基質に組み込まれる新奇な塩素化反応を見出した.さらに,この反応に遷移金属触媒を添加することで,収率が向上することも見出している.また,メカノレドックス条件下でのラジカル発生を確認する過程で,新規ラジカル環化反応を見出し,オキシインドール合成にも成功している.これらの結果は当初の実施計画とは異なるが,メカノレドックス反応の独自の反応性を示す萌芽的結果であるため,これらの反応についても詳細な条件最適化を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に記載したヨウ素原子移動反応はまだ確立できていないものの,その研究過程で「塩素化反応」や「ラジカル環化反応」を見出しており,メカノレドックス反応の新たな知見が得られているため.
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今後の研究の推進方策 |
ヨウ素原子移動反応およびジアゼニル化反応については,ラジカル開始剤の検討や反応条件の見直しを行い収率の改善を目指す予定である.一方,この研究過程で見出した塩素化反応やラジカル環化反応に関して,さらなる収率の改善および基質一般性の調査を行う予定である.
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