研究実績の概要 |
直鎖状ユビキチン鎖(M1-Ub)に結合する新規デコーダータンパク質であるtarget of myb1(Tom1)とtarget of myb1 like 2(Tom1L2)のM1-Ubを含む5種類のテトラユビキチン鎖(M1-Ub4、K6-Ub4、K11-Ub4、K48-Ub4、K63-Ub4)との結合強度を検討した。Tom1及びTom1L2のリコンビナントタンパク質はそれぞれ「全長(full; Tom1: aa1-492、Tom1L2: aa1-507)」、「Vps-27, Hrs and Stam(VHS)ドメインとGGA and Tom1(GAT)ドメインが存在する領域(VHS/GAT; Tom1: aa7-308、Tom1L2: aa7-319)」、「GATドメインのみが存在する領域(GAT; Tom1: aa210-308、Tom1L2: aa214-319)」、「VHSドメインのみが存在する領域(VHS; Tom1: aa7-153、Tom1L2: aa7-153)」を作製し、Octet Red96e Systemを使用して結合強度を評価した。 Tom1及びTom1L2はM1-Ubと特異的に結合することが判明した。Tom1、Tom1L2のM1-Ub4との解離定数(KD)はそれぞれ360 nM、98 nMであったから、Tom1に比べてTom1L2の方がM1-Ubに対する結合強度が高いことが判明した。 Tom1及びTom1L2のM1-Ubに対する結合に必要なドメインを決定するためにPull-down assayを行った。fullとVHS/GATのM1-Ubに対する結合強度が同程度であったが、GATドメイン単体でのM1-Ubに対する結合強度は低く、VHSドメイン単体では結合しなかったことから、Tom1及びTom1L2のM1-Ubに対する結合の安定性にはVHS/GATの両ドメインが重要であることが判明した。
|