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2023 年度 実施状況報告書

胃癌スフェロイドのシングルセル解析による癌幹細胞性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14477
研究機関広島大学

研究代表者

勝矢 脩嵩  広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (90909102)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワードシングルセル解析 / 胃癌幹細胞 / 胃癌 / 消化管病理
研究実績の概要

本研究ではヒト由来胃癌細胞株を用いて、通常培養状態とスフェロイド形成状態におけるシングルセル解析を行い、遺伝子プロファイルの比較を行なった。
まずはヒト由来胃癌細胞株のMKN-45およびMKN-74を用いて、当研究室で確立されているスフェロイド形成プロトコールによりそれぞれのスフェロイドを作成した。それらのスフェロイドおよび通常培養細胞状態の癌細胞株に対して、広島大学自然科学研究支援開発センターのシングルセル解析装置であるChromium X(10x Genomics)で、処理を行い、シークエンスを外注した。それらのシークエンス結果は広島大学自然科学研究支援開発センターにおいてCellRangerによる一次解析を行った。そのデータを用いて、Rを用いて二次解析を実施した。具体的にはSeuratなどのパッケージにより、ミトコンドリアDNAを多く含むものや明らかに発現するRNAの種類が多いあるいは少ない細胞を除去した。それらの処理を行った上でMKN-45通常培養状態、MKN-45スフェロイド形成状態、MKN-74通常培養状態、MKN-74スフェロイド形成状態の4種類のデータセットを取得した。
次にこれらのデータセットの統合を行った。具体的にはSCTransformのパッケージを用いて統合を行い、4215細胞の細胞の解析を行った。それらの細胞は6種類のクラスターに分類することができた。スフェロイド形成状態で特徴的に増加する細胞群が見出された。さらに軌跡解析を行い、これらの細胞群がより分化度が低い状態である可能性が示唆され、幹細胞に近い性質を持つと考えられた。ヒートマップ作成などの特徴的な遺伝子発現プロファイル比較を行い、スフェロイド形成状態で特徴的な遺伝子群候補を抽出している。現在はそれらの遺伝子群の特異的抗体などを用いてその特徴の確認を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、ヒト由来胃癌細胞株を用いて、通常培養状態とスフェロイド形成状態におけるシングルセル解析を行い、遺伝子プロファイルの比較を行ない、スフェロイド形成状態で特徴的な遺伝子群候補を抽出している。現在はそれらの遺伝子群の特異的抗体などを用いてその特徴の確認を行なっているところである。
以上から研究進捗は概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

シングルセル解析により抽出された遺伝子群の解析を継続して行う。必要に応じて、シングルセル解析の再解析を行って適宜最新手法を用いていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度はシングルセル解析を行ったものの、候補遺伝子の絞り込みを行っているだけで、それ以上の網羅的解析などの高額な解析をあまり行わなかったため、次年度使用が発生している。今後は解析候補遺伝子を絞り込んだ上で、候補遺伝子と関連する分子の特異的抗体やRNAシークエンス、癌培養細胞株などを用いて機能解析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] IQ Motif Containing GTPase-Activating Protein 3 Is Associated with Cancer Stemness and Survival in Pancreatic Ductal Adenocarcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Kido Aya、Ishikawa Akira、Fukui Takafumi、Katsuya Narutaka、Kuraoka Kazuya、Sentani Kazuhiro、Tazuma Sho、Sudo Takeshi、Serikawa Masahiro、Oka Shiro、Oue Naohide、Yasui Wataru
    • 雑誌名

      Pathobiology

      巻: 1 ページ: 1~11

    • DOI

      10.1159/000535542

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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