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2023 年度 実施状況報告書

脱ユビキチン化酵素USP10による炎症性サイトカイン産生制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14507
研究機関金沢医科大学

研究代表者

望月 恒太  金沢医科大学, 医学部, 助教 (70970937)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード脱ユビキチン化酵素 / USP10 / 炎症性サイトカイン制御
研究実績の概要

本研究は、脱ユビキチン化酵素USP10ノックアウト細胞株やマクロファージ特異的なノックアウトマウスを用いて、USP10の炎症性サイトカイン産生制御メカニズムを解析することで、炎症性疾患へのUSP10の関与を明らかにし、新規治療薬開発への足掛かりとすることを目的としている。
令和5年度は、まずマウスマクロファージ細胞でのUSP10ノックアウト/ノックダウン実験の再現性と解析に使用するための細胞株を確認することから開始した。そこで、新たに作製したレンチウイルスを用いて、RAW264.7細胞のノックダウンを行った。また、同様にRAW264細胞のノックアウト株も作製した。これらの細胞では、炎症性サイトカインであるインターロイキン6のmRNA量の低下が見られた。また、別のマウスマクロファージ細胞株であるJ774細胞でも同様にレンチウイルスを用いて、USP10ノックアウト株を作製した。しかし、こちらは野生型と比較してノックアウト群で炎症性サイトカインの低下が見られなかった。
現在、RAW細胞での炎症性サイトカインのmRNAの安定性を評価するため、両群で転写反応を止めたのち、経時的にmRNA量を測定するための条件を検討中である。また、USP10と相互作用しているタンパク質のスクリーニングのため、野生型、ノックアウト両群の細胞からRNAを抽出し、RNA-seq解析を進めている。ノックアウト群で上昇あるいは低下している遺伝子を抽出し、ターゲット遺伝子のノックアウトあるいは過剰発現系を作製して、解析を進める方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞実験に関して、再現性や異なる細胞株における炎症性サイトカインの挙動を確認するため、USP10ノックアウト、ノックダウン実験を新たに行なっており、炎症性サイトカインの低下機構の調査に進むまでに時間がかかっている。また、動物実験に関しては、新たな動物実験施設の完成ののちに開始する方針であり、現時点でまだ実験を開始できていない。しかし、RAW細胞、J774細胞でのノックアウト細胞の作製と炎症性サイトカインの評価は進んでおり、RNA-seq解析で標的遺伝子のスクリーニングも行なっていることから、研究全体から見てやや遅れ気味であると考える。

今後の研究の推進方策

今年度までの進行を踏まえて、次年度は、RAW264細胞を用いたUSP10ノックアウト群のRNA-seq解析の結果から、上昇あるいは低下している遺伝子を抽出し、USP10の脱ユビキチン化活性との関連を考察する。標的遺伝子を絞り込んだのちに個別に過剰発現系やノックアウト系を作製し、野生型あるいはUSP10ノックアウト細胞への遺伝子導入を行い、その関連を調査する。

次年度使用額が生じた理由

RNA-seq解析の外注のタイミングが次年度開始直後となり、次年度使用額が生じたが、予定通り外注費用に使用予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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