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2023 年度 実施状況報告書

非結核性抗酸菌症における生体内バイオフィルムの意義:その除去と新規治療法への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23K14524
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

山本 健太郎  国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 主任研究官 (40832308)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードバイオフィルム / 非結核性抗酸菌 / 超微細構造
研究実績の概要

M. aviumではSiとSUS上では他の素材よりもバイオフィルム形成量が少なかった。M. intracellulareも同様にSi上でバイオフィルム形成量が少なかったが,その一方で,SUS上ではPP上と同程度にバイオフィルムが形成され,GL上ではPPと比較してバイオフィルム形成量は多かった。M. abscessusにおいては,試験したすべての素材で同程度にバイオフィルムが形成された。特に,二種のMAC菌でバイオフィルムが形成されにくかったSi上でもM. abscessusはバイオフィルムを多量に形成していた。M. abscessusはMAC菌と比べて増殖が早いことを考慮すべき点ではあるが,潜在的に最も薬剤抵抗性が強い抗酸菌の1つであるM. abscessusが同じ培養環境下であっても,様々な基材にバイオフィルムを形成しやすいことはNTMバイオフィルム感染症を理解するうえで重要なことである。
バイオフィルム内の細胞間の接続に着目すると,M. aviumは繊維状の構造体が細胞間を繋ぎ,互いの接着を強固にしているように見えた。特に金属素材であるTiとSUSでこの繊維状構造が多く観察された。M. abscessusのバイオフィルム内では顆粒状の物質が細胞間を埋めており,他の2種類のNTMがほとんど付着していない素材片の先端にもこの物質が多く存在していたことから,M. abscessusが強固なバイオフィルムを形成するために必要な構造であるのかもしれない。M. intracellulareのバイオフィルムでは含まれる繊維も顆粒も少ないが,薄くなめらかなシート状物質が堆積した菌の上部を覆うような構造が散見された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに進捗している。

今後の研究の推進方策

今年度中の研究データをまとめ,令和6年度中に論文化を行う。また,平行してマウス体内に埋め込む試験片の設計と,試作品の作成,およびこれを用いた予備データを収集する。

次年度使用額が生じた理由

業者の選定,キャンペーン品の購入等により節約できたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Catheter-associated Mycobacterium intracellulare biofilm infection in C3HeB/FeJ mice2023

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Kentaro、Tsujimura Yusuke、Ato Manabu
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-023-44403-0

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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