研究課題/領域番号 |
23K14633
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
柴田 健雄 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20609979)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Human papillomavirus / CIN / 子宮頸部擦過検体 / HPV特異的T細胞 / T細胞療法 |
研究実績の概要 |
Human papillomavirus (HPV) 感染は、癌の5%の原因である。HPV関連癌の一つである子宮頸癌は、初期であれば既存治療で治癒が可能であるが、 再発・進行癌は極めて難治性で新規治療開発が望まれている。HPV E6タンパクは、オンコプロテインであると同時に、外来抗原で免疫療法の理想的標的であり、HPV関連癌に対するT細胞を利用した免疫療法は期待されている。HPV特異的T細胞はHLAの多様性や200種類を超えるHPV型の存在から複数存在すると考えるのが自然である。高親和性HPV抗原特異的T細胞を検出できればキメラ抗原受容体 (Chimeric Antigen Receptor: CAR) T 細胞療法や二重特異性T細胞誘導 (Bispecific T cell engaging: BiTE) 抗体などのT細胞療法の臨床応用につながる。堅牢なHPV特異的T細胞の網羅的な同定方法の確立が必要であり、研究に着手した。抗原特異的T細胞を回収するための検体として、従来は血液や腫瘍切除検体が使用されてきた。しかし、血液中のHPV特異的T細胞の数は極めて少なく、アフェレーシスを含む多量の血液採取や手術が必要で患者への侵襲が問題であった。子宮頸部擦過検体は低侵襲に採取可能である。本研究では末梢血からではなく子宮頸部擦過検体からリンパ球を回収する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CIN患者の子宮頸部擦過検体からフローサイトメトリー法を用いてT細胞分離を行なった。T細胞レパトア解析を施行中である。
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今後の研究の推進方策 |
T細胞レパトア解析後にシングルセルシーケンスを行う予定で、CIN患者の子宮頸部局所の免疫環境を包括的に観察し、HPV特異抗原の同定に向けて研究を継続する。試薬等の準備は終了している。
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次年度使用額が生じた理由 |
採取検体数が少なく試薬使用量が少量であったので次年度使用額が生じた。翌年度に研究費は試薬として使用する予定である。
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