研究課題/領域番号 |
23K14667
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
飯田 俊 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員 (50785996)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヘルペスウイルス / エプスタイン・バーウイルス / カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス / ヘルペスウイルス関連リンパ腫 / HDAC阻害薬 |
研究実績の概要 |
ヘルペスウイルス関連リンパ腫はエプスタイン・バーウイルス(EBV)やカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)が病態形成に関与するリンパ腫であり,予後不良であることから,より有効性の高い新規治療法の開発が望まれている.現在,一部の悪性腫瘍に対する治療薬としてヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬が臨床応用されているものの,ウイルス関連腫瘍に対する治療薬としての臨床応用は進んでいない.一方で,HDAC阻害薬はヘルペスウイルスの再活性化を誘導することが知られており,ヘルペスウイルス関連腫瘍に対する新規治療薬の候補として有望である可能性が示唆される. 申請者らは,スベロイルビスヒドロキサム酸(SBHA)など一部のHDAC阻害薬が,KSHV関連リンパ腫の一種である原発性体腔液リンパ腫に対して強力な抗腫瘍作用を示すことを近年報告した(Iida et al, J Virol, 2021)が,詳細な作用機序は未解明であった.本研究では,HDAC阻害薬の作用機序の解明を通じ,ヘルペスウイルス関連リンパ腫における治療標的因子を同定する.更に,同定された因子に作用する化合物を探索し,ヘルペスウイルス関連リンパ腫に対する新規治療薬の開発を試みる. 本年度はHDAC阻害薬の作用機序を解明することを目的に,バーキットリンパ腫や原発性体腔液リンパ腫などのヘルペスウイルス関連リンパ腫細胞株をHDAC阻害薬で処理した後にRNAを抽出し,次世代シークエンサーを用いたRNAシークエンシング(RNAseq)を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題において主要な位置を占めるRNAseqを実施するとともに,研究遂行に必要な細胞,試薬等の入手が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られたRNAseqのデータを更に詳細に解析することにより,ヘルペスウイルス関連リンパ腫におけるHDACの作用に重要な分子を同定する.同定された分子を標的とする薬物の探索を通じ,ヘルペスウイルス関連リンパ腫に対する治療薬の開発を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はRNAseqの費用を中心に予算を計上していたが,実際に使用した試薬等が当初の見込みより安価であった.次年度以降,追加解析に必要な試薬等の購入に充てる.
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