研究課題/領域番号 |
23K14771
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
畠野 雄也 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (10943540)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 遺伝子多型 / 機械学習 / 予後 / ALS |
研究実績の概要 |
テキストマイニング手法で、新規のALS病態関連遺伝子の推定法 (gene extraction by textmining: GET)の作成を試みた。PubMedの英語論文にて、RNA binding proteinが抄録ないしタイトルに含まれる論文を抽出した。抽出した論文をBERTおよびword2vecで学習させ、ALS病態関連RNA結合蛋白遺伝子同士の意味関係の類似性の高さを検証した。leave-one-out cross-validation法で検討した結果、BERTよりもword2vecの方がALS病態関連RNA結合蛋白遺伝子同士の意味関係の類似性が高くなり、遺伝子の重みづけには有用であると判明した。Word2vecでのALS病態関連RNA結合蛋白遺伝子との意味関係の類似性で遺伝子の病原可能性の評価を進めている。 新規の遺伝子にて病原性の有無を予測するMOVA2の開発を試みたが、開発に時間がかかることが判明し、断念した。そのため、既知のアルゴリズムで病原性予測をすることを着想した。神経疾患や精神疾患の一部の原因遺伝子46遺伝子のバリアントを既存の28の病原性予測アルゴリズムで予測し、実際の病原性の有無と照らし合わせて検証したところ、判別能が高いものとして、VEST、REVEL、AlphaMissenseが挙げられた。 本研究は、ALSの予後にかかわる遺伝子群/パスウェイを、個人レベルで明らかとし、その結果を元に、個々の予後予測精度を向上させることを目的とする。そのために、ALS病態関連遺伝子群において、rare variant(RV)を同定し、機械学習やテキストマイニングの手法で各RVの病原性の重みづけを行う。当該年度で実施した研究は、各RVの病原性の重みづけを行う具体的な手法の決定につながり、意義深い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した予定に準じ、解析を行えている.
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今後の研究の推進方策 |
当初の実施計画どおり,研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、事前に計上した解析用パソコン、および遺伝子変異データベース Human Gene Mutation Database(HGMD) を別予算で購入し得たため。次年度は、学会出張費用、HGMD、エクソーム解析外注、論文投稿や英文校閲に予算を使用する計画である。
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