研究課題/領域番号 |
23K14774
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸島 麻耶 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50966942)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | BAFME / 皮質ミオクローヌス / 振戦 / 大脳皮質基底核変性症 / 体性感覚誘発電位 / 脳波 / 高調波 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、不随意運動・てんかん発作・変性疾患を示唆する特徴を持つ、良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)と類縁疾患を比較することで、新たな疾患特徴、分類、進行度を知るパラメータを模索し、その病態機序を解明することである。本研究により解明されるBAFMEの病態機序は、類似した症候学的・電気生理学的・遺伝学的機序を持つ他の不随意運動・てんかん・変性疾患・ノンコーディングリピート病の病態解明に繋がる。当該年度は以下のように研究を推進した。 1.リクルート:当施設に通院中のBAFME患者5-10例、類縁疾患10例をリクルートした。2.計測:病歴聴取、頭部MRI、脳波、脳磁図検査は、各疾患の診断のための精査で一般的に実施される保険診療の範囲でおこなった。3.解析: BAFMEと類縁疾患の比較を各種モダリティでおこなった。 解析の結果、BAFMEは類縁疾患に比べて脳波の後方領域の速波活動が増大し、高調波を認めることが分かり、病的な皮質の過剰興奮との関連性が考えられた。BAFMEは遺伝性疾患だが、親子または兄弟で症状や検査所見の大きく異なる症例がいることが分かった。また、類縁疾患である大脳皮質基底核変性症において、巨大体性感覚誘発電位を従前の報告よりも高い割合で認めることが分かり、皮質の過剰興奮性への関与が考えられた。以上より、BAFMEおよび類縁疾患の新たな疾患特異的な特徴が明らかになり、今後さらにタイプ分類や進行度分類が可能になれば、実臨床における簡便な診断や治療方針の決定に貢献すると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BAFMEおよび類縁疾患症例のリクルートおよび計測が概ね順調に行われている。
|
今後の研究の推進方策 |
実施計画に基づいて、引き続き患者リクルート、計測、解析を行い、結果を学会発表、論文報告する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
測定および解析の途中で、新たな物品購入の手続き、セットアップを行う時間がなかった。次年度以降にこれらは消費の予定である。
|