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2023 年度 実施状況報告書

Lu-177標識薬剤のガンマカメラ撮像定量性向上のための新規撮像法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K14863
研究機関名古屋大学

研究代表者

中西 恒平  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (40970174)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワードルテチウム177 / 内用療法 / ガンマカメラ / モンテカルロシミュレーション / 計数損失 / 不感時間 / 定量
研究実績の概要

一般的にガンマカメラ画像を用いた患者体内のLu-177薬剤集積分布定量化では208keV±10%のエネルギーウィンドウが用いられる。この場合、208keV未満の低エネルギーガンマ線は画像形成に寄与しないが、ガンマカメラの不感時間延長を引き起こす。そこで申請者は薄い鉛シートでガンマカメラ表面を覆うという簡易な方法で208keVより低エネルギーのガンマ線を遮蔽し、薄い鉛を透過した208keVのガンマ線を検出してガンマカメラ撮像を行うことで不感時間延長及び計数損失を抑制可能な撮像を考案し、その有用性を検証した。
1.0mm厚、0.5mm厚の鉛シート及び円柱ファントムを用いてモンテカルロシミュレーション及び実測実験により検証した結果、1.0mm厚、0.5mm厚の鉛シートを使用した場合と使用しなかった場合の不感時間は、エネルギーウィンドウ208keV±10%に対してそれぞれ1.7μs、1.9μs、 5.8μsとなった。
腫瘍撮像のシミュレーションでは10%の計数損失を、1.0mm厚の鉛シートを用いることで1.3%にまで減少させることができた。
上記シミュレーション結果を本研究課題及び先行研究の実測結果と比較することで、シミュレーション精度に問題がないことを確認した。
考案法を用いた実測実験にてContrast detail(CD)ファントムを撮像した結果、鉛シートを用いても、用いない場合と同等の空間分解能及びコントラストを有するガンマカメラ画像を取得可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・申請者が考案した方法により不感時間延長及び計数損失抑制が可能であることを実証した。

今後の研究の推進方策

・鉛以外の素材が考案法へ応用可能であるか明らかにする。
・現状得られている結果は円柱ファントム及びCDファントムに対するものであるため、より人体に近いファントムを用いた検証を進める。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は円柱というシンプルな形状を有するファントムでシミュレーションを行ったため汎用的なコンピュータで計算可能であり、当初購入予定であった高性能なコンピュータを購入しなかった。
次年度は人体に近い複雑な形状を有するファントムを用いたシミュレーションを行うために高性能なコンピュータを購入予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A simple method to shorten the apparent dead time in the dosimetry of Lu-177 for targeted radionuclide therapy using a gamma camera2024

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi Kohei、Fujita Naotoshi、Abe Shinji、Nishii Ryuichi、Kato Katsuhiko
    • 雑誌名

      Physica Medica

      巻: 119 ページ: 103298~103298

    • DOI

      10.1016/j.ejmp.2024.103298

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Lu-177撮像にて計数損失を簡易に抑制できる新規撮像法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      中西恒平 , 藤田尚利 , 阿部真治 , 西井龍一 , 加藤克彦
    • 学会等名
      第43回日本核医学技術学会総会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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