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2023 年度 実施状況報告書

シスチノーシス(シスチン蓄積症)における新規シスチン代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14964
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

清水 有紀子  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 動物実験施設 専任研究員 (00469983)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードシスチノーシス / ライソゾーム / シスチン代謝
研究実績の概要

シスチノーシス(シスチン蓄積症)は、ライソゾーム膜に存在するシスチン輸送体であるシスチノシン(CTNS)遺伝子変異により、全身性にシスチンが蓄積する常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症である。唯一の治療法であるシステアミン治療が、疾患の進行を遅らせるものの、根本治癒には至らないことから、より良い治療法の開発が急務となっている。本研究は、Ctns遺伝子欠損マウスにおいてマウス系統の遺伝的背景の違いを利用した連鎖解析から申請者らが新規に発見したシスチン代謝関連因子について、機能解析を進めることにより新たなシスチン代謝調節機構を明らかにすることで、新たな分子創薬標的を同定することを最終目的としている。
本年度はCRISPR/Casシステムを用いて、C57BL/6背景Ctns遺伝子欠損マウスが有するシスチン代謝関連遺伝子を修復するマウスの作成と並行し、Ctns遺伝子欠損マウス胚由来線維芽細胞を用いて、遺伝子発現解析を行い、C57BL/6背景およびFVB背景を比較した。その結果、ライソゾーム内分子AがC57BL/6背景のCtns遺伝子欠損マウスにおいてFVB背景と比較して著しく発現(約9倍)が上昇していることが明らかになった。現在、ライソゾーム内分子Aと我々が同定しているシスチン代謝関連因子との関連について解析を行っている。さらに生体内でのライソゾーム内分子Aとシスチノーシス病態との関連を明らかにするために、C57BL/6背景Ctns遺伝子欠損マウスおよびFVB背景Ctns遺伝子欠損マウスを用いた解析も進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はC57BL/6系統およびFVB系統背景のCtns遺伝子ノックアウトマウスを用いたRNA-Seqを予定していたものの、C57BL/6系統背景のノックアウトマウス作成において不測の事態により、年度内の作成が完了しなかった。これにより、マウス個体を用いて行う計画であったRNA-Seqおよび同定出来た分子を用いたパスウェイ解析が行えておらず、並行して初代マウス胚由来線維芽細胞を用いた遺伝子発現解析を進行させていたものの、進捗状況としてはやや遅れている。

今後の研究の推進方策

C57BL/6系統およびFVB系統背景のCtns遺伝子ノックアウトマウスを用いたRNA-Seqおよびパスウェイ解析を行うことによりマウス系統の違いによって生じるシスチン蓄積の違い基底する分子を絞り込み、さらに分子生物学的解析を行うことで、シスチン代謝に影響を与える分子を同定する。また昨年度に新たに作成したノックアウトマウスを用い、我々が既に同定しているシスチン代謝関連因子がシスチノーシス病態に与える影響を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

C57BL/6マウス背景のCtns遺伝子ノックアウトマウスの作成に予定よりも時間がかかり、本年度に計画していたマウス個体臓器を用いたRNA-Seqが行なかったため、次年度に実施すべく36万円を繰り越した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] シスチノーシス(シスチン蓄積症)に伴う角膜混濁から角膜びらんに至った1症例2023

    • 著者名/発表者名
      山本裕香、岡村匡史、清水有紀子、丸山拓巳、片桐大輔、八代成子、永原幸
    • 学会等名
      第64回日本先天代謝異常学会学術集会
  • [学会発表] シスチン蓄積症(シスチノーシス)による腎障害について2023

    • 著者名/発表者名
      片桐大輔、川村万里子、山本裕香、清水有紀子、岡村匡史
    • 学会等名
      第32回中国腎不全研究会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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