研究課題/領域番号 |
23K14978
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
石田 悠志 岡山大学, 大学病院, 助教 (30767231)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | フローサイトメトリー / 急性骨髄性白血病 |
研究実績の概要 |
小児急性骨髄性白血病(AML)は小児がんの中で比較的難治である。近年AMLは幹細胞を頂 点とする様々な分化段階(ヒエラルキー)に属する多様な細胞集団であることが明らかとなり、その構成内容が予後に関連することが示唆された。これらを背景に、フローサイトメト リー(FCM)、FCMによる細胞ソート、及びdroplet digital PCRを組み合わせることで小児 AMLのヒエラルキー構成の早期変化(ヒエラルキーダイナミクス)を評価し、正確な予後予測を可能にすることを目的として本研究を立案した。 具体的には、岡山大学小児科においてこれまでに凍結保存されている診断時及び化学療法後の骨髄液を用いて、解析に資するFCM分析および細胞ソートが可能かを検討している段階である。実際に、今期解析した骨髄保存液の中には、死細胞が多いために非特異的な抗体結合が見られ、それにより目的とする幹細胞分画の抽出が困難である検体が散見された。また、今後保存される細胞の保存状態を改善するためにCorning CoolCellを購入し、導入した。現在は凍結保存細胞内の死細胞比率に関連する因子を検討しており、解析に足る検体を効率よく抽出すること、また新規にCorning CoolCellを用いて保存した、保存状態が良いであろう検体を用いること、更には新規発症患者の凍結前検体を用いることを並行しており、それにより研究の進捗が期待される。また、これにより細胞の状態で保存するために配慮すべき因子についての検討が可能になり、今後の白血病細胞保存プロセス改善に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既に必要な抗体を購入済みであり、複数の保存検体の解析を開始している。一方で上記の通り、今期解析した骨髄保存液の中には、死細胞が多いために非特異的な抗体結合が見られ、それにより目的とする幹細胞分画の抽出が困難である検体が散見された。これにより幹細胞分画の分取は遅れており、遺伝子解析のステップまで進めていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
保存細胞について、段階的により腫瘍細胞が多い保存バイアルについて同様のトライアルを続ける。保存状態に影響する因子を検討し、解析可能なサンプルを効率よく抽出する。並行して新規発症患者の凍結前の検体や、上記のようにCorning CoolCellを用いて保存された細胞は保存状態が良いことが期待されるため、そういった細胞に対してFCM抗体パネルを確立し、ソート分取を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
FCMに関連する抗体の初期購入に大きく予算を割り当てていたが、他の研究費での購入が可能になった関係で該当年度の使用額が当初の予定よりも少なくなった。研究執行に支障はきたしていないため、今後は細胞保存状態の改善のために予算を使用したり、当初割当額を少なくしていた国際学会での情報収集を行うことを計画している。
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