研究実績の概要 |
F344ラットを購入し, VEGF receptor blocker(Sugen5416)をF344rラットに投与後, 低酸素暴露3週間行い, 肺高血圧ラットモデル(Sugen/Hx rat model)を作製した.このF344ラットを用いたモデルの病勢・病態について生存期間を含め調査し, 経時的に肺動脈血流および肺組織の変化について評価を行った. まずF344/DuCrlCrlj ラットにSugen5416(20㎎/kg)皮下注後,チャンバーに収容し, 低酸素暴露 (FiO2 0.10 , 3週間)後, 室内気で2週間飼育した. Sugen5416投与後5週間経過した時点で心臓超音波検査を実施し, 肺動脈血流評価を行った. 評価後に心筋および肺組織の病理学的評価を行った.QQ細胞培養については,コントロールラットから採取した血液とSugen/Hx rat modelから採取した血液から実施した,【結果】 Sugen5416投与後5週間の時点で, 肺動脈血流波形にnotch (mid-systolic notch) が出現し, AcT/ET値の低下を認めた. 病理組織ではGrade2の肺血管の閉塞性肺血管病変(重症肺高血圧組織像)を認めていた. また右室心筋の肥厚を認めていた. F344ラットを用いたSugen/Hx rat modelはSugen5416投与後の15週までに全例死亡した. QQ細胞はSugen/Hx rat modelから採取した血液では有効細胞数が得られなかった.【考察】 これまで報告されているSDラットを用いた肺高血圧ラットモデルに比して, F344ラットを用いたSu/Hxモデルは,病態進行が早いことが判明した. 今後はこの急速に進行する病態をQQ細胞でコントロール可能であるか, 投与時期および投与回数を検討し実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度はQQ細胞培養に使用するサイトカインおよび QQ細胞培養に適した細胞培養プレートを購入し,より効率的なQQ細胞回収を行うことで,十分量のQQ細胞投与によって,QQ細胞のもつ抗炎症作用が,肺高血圧ラットモデルにおける右心筋リモデリング抑制に寄与することを証明する予定である.
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