研究課題/領域番号 |
23K15000
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内藤 健夫 東北大学, 大学病院, 助教 (80808197)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 遺伝的背景 / rare variant解析 |
研究実績の概要 |
2023年度は研究者のリクルートを行い、研究同意書を取得した(クローン病60件、潰瘍性大腸炎 50件)。さらに、問診や電子カルテから同対象者の発症年齢、家族歴、病型、罹病期間、手術歴などの詳細な臨床情報を収集した。同対象者の末梢血を採取しフェノールクロロホルム法を用いてDNAを抽出した。抽出後、DNA は、 TE 緩衝液に溶解し、 申請者施設に4 ℃で保存しておい、いつでもエクソームシークエンシングに提出できる状態となっている。また、すでに保有しているGenotyping arrayの情報と臨床情報を用いてVEOIBD遺伝子変異との相関を解析した。その結果、IL10遺伝子やMEFV遺伝子、NCF4遺伝子内に存在するのexonic variantがクローン病患者の肛門病変と強く相関している事を発見した。今後はエクソームシークエンシングの内容を追加して論文作成する予定である。 さらに、日本人健常者の全ゲノムシークエンシングデータ (WGS)として、当初は東北大学メディカルメガバンク (ToMMo)のデータを使用する予定であったので、利用申請を行った。しかしながら、倫理的な縛りが強く、解析のプラットフォームが限定されていることや、申請から利用開始まで数か月以上の時間がかかることが判明した。そこで、共同研究者と相談したところ、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)が所有する日本人健常者約10000人のWGSデータが比較的速やかに使用可能であることが判明し、現在申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初疾患対象群のシークエンシングデータとして東北大学メディカルメガバンクの全ゲノムシークエンシングデータ (WGS)の使用を予定していたが、手続きの複雑さから困難であると判断し、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)所有の日本人WGSに変更する方針となったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に当院所有のクローン病と潰瘍性大腸炎合計110検体の全エクソームシークエンシングを終了する。さらに、ナショナルセンター・バイオバンクネットワークへ健常者の全ゲノムシークエンシング使用許可を取得する予定。それらにより、本研究の解析に必要な準備がすべて完了する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初疾患対象群のシークエンシングデータとして東北大学メディカルメガバンクの全ゲノムシークエンシングデータ (WGS)の使用を予定していたが、手続きの複雑さから困難であると判断し、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)所有の日本人WGSに変更する方針となり、2023年度のIBD患者検体でのエクソームシークエンシングを延期したため。
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