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2023 年度 実施状況報告書

炎症性腸疾患関連大腸がんの腫瘍微小環境の特殊性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15038
研究機関名古屋大学

研究代表者

石川 恵里  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70872894)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
キーワード炎症性腸疾患関連腫瘍 / 潰瘍性大腸炎
研究実績の概要

潰瘍性大腸炎関連大腸腫瘍(Ulcerative colitis associated neoplasm, UCAN)の腫瘍免疫微小環境の特殊性を明らかにするためにUCANと、潰瘍性大腸炎罹患患者以外に発生した通常の大腸がんの比較検討を進めている。まず当院にて2008年以降にUCANと診断され治療を行った症例のうちT1以上の浸潤がん37例を抽出し、それぞれの年齢、性別、罹病期間、病型、PSCの有無、内視鏡的活動性、UC治療、病変部位、組織型、T stage、脈管侵襲、病理病期、治療を解析した。続いて当院にて治療された通常の大腸がん症例のうち、年齢、性別、病変部位、組織型、T stage、病理病期を前述のUCAN症例と傾向スコアマッチングさせた37例を抽出した。それぞれのヘルパーT細胞、特に抗腫瘍免疫応答に重要な役割を果たすTh1、がん進展促進作用をもつTh17、またTh1誘導の抑制やM2様マクロファージの誘導により免疫抑制的に関与するTh2に注目して研究を進め、またがん細胞を貪食するマクロファージの免疫チェックポイント分子として働くSIRPαと腫瘍細胞に発現するCD47の意義の解明を目指す。まずはPreliminaryにUCANと通常の大腸がんのT1病変それぞれのホルマリン固定パラフィン包埋切片より未染標本を作製し、抗RORγT抗体、抗T-bet/tbx21抗体、抗GATA3抗体、抗CD47抗体、抗SIRPα/SHPS1抗体を用いた免疫組織化学染色を試みるため、現在免疫染色の条件検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

抗RORγT抗体、抗T-bet/tbx21抗体、抗GATA3抗体、抗CD47抗体、抗SIRPα/SHPS1抗体を用いた免疫組織化学染色の条件検討に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

今後、免疫組織化学染色の条件検討が終了し次第、画像解析ソフトウェアHALOを用いて陽性細胞数を定量的に計測し、腫瘍内領域と腫瘍周囲領域それぞれにおいて最も陽性細胞数が多い部分を200倍視野で10領域ずつ抽出し、その中央値を算出し、UCANと通常の大腸がんでの比較検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

Preliminaryでの免疫染色の条件検討により遅れが生じており、終了し次第他症例においても免疫組織化学染色を実施していく予定である。また解析結果の学会報告、論文発表も行っていく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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