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2023 年度 実施状況報告書

NASH肝臓における血管内皮前駆細胞の抗酸化作用とその分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15057
研究機関久留米大学

研究代表者

増田 篤高  久留米大学, 医学部, 助教 (40647872)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードMAFLD / 血管内皮前駆細胞 / Cxcl10
研究実績の概要

骨髄血管内皮前駆細胞と肝臓構成細胞との細胞間相互作用を解析するため、当研究室にgentleMACSを導入し、MASHモデルマウスの肝臓を分解し、肝構成細胞を採取・培養する方法を確立した。これまでgentleMACSを用いてMASHモデルマウスの肝臓から細胞を採取するプロトコールは確立されていなかったが、脂肪肝においても遠心分離の回転数、時間を調整することで、生存率を維持したまま、安定して十分な細胞数の確保が可能となった。また採取した細胞群からautoMACSを用いて類洞内皮細胞、肝細胞を分離し、培養することにも成功した。類洞内皮細胞はDil-acLDLの取り込みを確認し内皮細胞であることを証明した。また肝細胞においては抗アルブミン抗体により染色された。肝細胞においては大脂肪滴を含有する肝細胞の培養も可能であった。MASHモデルマウス肝臓より採取した非実質細胞と骨髄血管内皮前駆細胞を48時間共培養したところ、非実質細胞のCxcl10の遺伝子発現が有意に抑制された。骨髄血管内皮前駆細胞はMASHモデルマウス肝臓においてRLR/Irf7/Stat1/Cxcl10 signalを抑制するが、非実質細胞のCxcl10の発現は肝細胞の状態とは独立して抑制することができる可能性が示唆された。今後はさらに非実質細胞を各種構成細胞に分離し、骨髄血管内皮前駆細胞との共培養実験を行う予定である。さらに、共培養後のメディウムを回収し、網羅的解析を行うことで、骨髄血管内皮前駆細胞のパラクライン作用の主要となっている分泌蛋白、遺伝子の同定を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定では初年度中に動物モデルの作製に着手する予定であった。しかし、先行実験の追加解析により、骨髄血管内皮前駆細胞はMASHモデルマウスの血管構造の再構築に大きく寄与していることが明らかになり、肝臓構成細胞との共培養実験を先行して行った。現在、血管内皮細胞との共培養実験を進めている。

今後の研究の推進方策

今後はさらに細分化した肝臓構成細胞と骨髄血管内皮前駆細胞の共培養実験を行っていく。また同時にハイドロダイナミックインジェクション法を用いた骨髄血管内皮前駆細胞の肝臓への遊走を阻害された、MASHモデルマウスを作製することで、さらなる骨髄血管内皮前駆細胞の抗酸化作用、自然免疫抑制作用のメカニズムを明らかにしていく。ひいては骨髄血管内皮前駆細胞のパラクライン作用の責任因子の同定を試みる。

次年度使用額が生じた理由

動物実験に関わるマウスや試薬の経費が計上されていないため支出が抑えられた。その分次年度に繰り越された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Ex-vivo expanded CD34+ cell transplantation alleviates fibrotic liver injury via innate immune modulation in metabolic dysfunction-associated steatohepatitis mice2024

    • 著者名/発表者名
      Masuda Atsutaka、Nakamura Toru、Iwamoto Hideki、Suzuki Hiroyuki、Sakaue Takahiko、Tanaka Toshimitsu、Imamura Yasuko、Mori Nobuyuki、Koga Hironori、Kawaguchi Takumi
    • 雑誌名

      Cytotherapy

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.jcyt.2024.03.488

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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