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2023 年度 実施状況報告書

慢性便秘症に対する新規治療開発を目指した排便機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15073
研究機関九州大学

研究代表者

田中 義将  九州大学, 大学病院, 助教 (50869112)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード排便中枢
研究実績の概要

排便は主に直腸平滑筋及び肛門括約筋を制御する一連の神経活動の協調的連動によって達成されるが,これまで排便中枢神経回路の分子基盤の解明は非特異的な電気刺激や薬物投与による手法を用いた研究にとどまっており詳細は不明である.我々は光遺伝学および化学遺伝学的手法により神経特異的な制御を行い, 排便中枢の同定及び神経機能を評価した. 排便中枢の同定として, 1:マウスの宿便状況における中枢神経活性の評価, 2:複数のシナプスに逆行性感染する仮性狂犬病ウイルス(pseudorabies virus; PRV)を肛門に注射し, 脳内に標識されるPRVの評価,を行った. 次に,排便中枢候補部位の機能評価として,vesicular glutamate transporter 2(vGLuT2), corticotropin releasing hormone(CRH), tyrosine hydroxylase(TH)ニューロンに特異的にcreを発現する遺伝子改変マウスを作成し光遺伝学や化学遺伝学的手法を用いて排便に関与する各種項目を評価した.さらには,これらを組み合わせることによる排便上位中枢の探索を行うことで排便中枢神経回路の詳細な検討を行った.排便中枢候補として,バリントン核(Bar)や青斑核(LC)が挙げられた. 同部位における機能評価ではBar, LC-vGLuT2, Bar-CRHニューロン刺激において互いに異なるパターンでの排便機能の亢進が見られた. 一方, LC-THニューロン刺激においては排便機能に有意な変化は認められなかった.また,排便上位中枢候補の同定を含めた詳細な神経回路の同定に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定どおりPRVを用いた排便上位中枢の探索を行うことで排便上位中枢候補を同定し、同部に対して光遺伝学的手法を用いることで神経回路の詳細な検討を行った.

今後の研究の推進方策

Fibar photometry法によるBarの神経活動を捉えることに取り組んでいる.

次年度使用額が生じた理由

2,3年目に使用予定である研究費が1年目に使用した研究費と同程度の金額を使用する可能性が高いため2年目以降の研究費として繰り越したため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 光遺伝学および化学遺伝学的手法を用いた脳排便中枢の解析2024

    • 著者名/発表者名
      田中義将, 佛坂孝太, 伊原栄吉
    • 学会等名
      第20回日本消化管学会総会
  • [学会発表] 光遺伝学および化学遺伝学的手法と 逆行性トレーサーを用いた排便機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      田中義将, 佛坂孝太, 伊原栄吉, 小川佳宏
    • 学会等名
      第65回日本平滑筋学会総会
  • [学会発表] 光遺伝学および化学遺伝学的手法を用いた排便機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      田中義将, 佛坂孝太, 伊原栄吉
    • 学会等名
      JDDW2023

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公開日: 2024-12-25  

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