研究課題/領域番号 |
23K15119
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
天満 太郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (00801614)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 神経ペプチドY / 心室性不整脈 / 虚血性心疾患 / 交感神経 |
研究実績の概要 |
虚血不全心群と対照群における、(1)各心筋内の神経ペプチドY(NPY)とノルエピネフリン(NE)の分布、(2)各心筋細胞における、NPY負荷時のカルシウム動態、(3)各心筋細胞におけるNPY負荷時の活動電位、(4)各心筋内のNPY負荷による心室性不整脈、に関して検討を行った。 (1)左冠動脈前下行枝を結紮後、4週間飼育することで、虚血不全心マウスを作成した。偽手術と虚血性不全心におけるNPYとノルエピネフリンNEの分布を免疫蛍光染色法で解析した。【結果】虚血性不全心において梗塞領域および境界領域ではNPY分布の有意な上昇とNEの有意な低下を認めた。またNPYは心外膜が優位に高いという壁内分布異常を認めた。 (2)偽手術と虚血性不全心の単離心筋細胞を作製し、NPY負荷でのカルシウム動態を検討した。【結果】虚血性不全心において、NPY投与によりカルシウムウェーブ頻度や発生率が優位に上昇した。 (3)偽手術と虚血性不全心の単離心筋細胞を作製し、NPY負荷での活動電位を検討した。【結果】虚血性不全心において、NPY投与により遅延後脱分極の上昇を認めた。 (4)偽手術と虚血性不全心の摘出灌流心を作製し、各灌流心のNPY負荷による心室性不整脈の頻度を検討した。【結果】偽手術灌流心と比較して、虚血性不全灌流心ではNPY負荷における心室期外収縮の有意な増加や二段脈や三段脈などの複雑心室期外収縮の頻度が優位に上昇していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のごとく仮説通りの実験結果がでてきており、実験方法に関しても習熟しており、おおむね順調と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
現行通り進行していく。またNPYを介した心臓と多臓器連関に関しても検討していく。本成果を国内外学会、国際学術誌に積極的に発表していく方針である。
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