研究課題/領域番号 |
23K15140
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
谷 英典 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40929387)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 心不全 / 三次元心組織 / 心臓オルガノイド / 創薬 |
研究実績の概要 |
本研究では、ヒトiPS由来心筋細胞 (hiPSC-CM) とブタ心臓コラーゲンを用いてEngineered Heart Tissue (EHT) と呼ばれる三次元に配列化したマイクロ心筋組織作製法を組み合わせることで、従来の方法よりも形状維持能が高く、収縮/拡張力の強い成熟化した心筋組織を作製し、創薬と心疾患の病態解明に応用する。この三次元心筋組織の拡張障害を誘導することによって、 臨床的に重要であるものの治療法 が十分に確立されていない、左室収縮能が保たれている心不全 (Heart failure with preserved ejection fraction; HFpEF) をヒトの細胞を用いて培養皿上で再現し、心不全の新たな病態機序を解明し、新規の治療薬や病態マーカーの発見に応用することを目的とする。 現在までに実際に高脂肪酸及びeNOS阻害薬 (L-NAME) 添加下の培地で培養したEHTでは、コントロールのEHTと比較して収縮力は変化せずに、 相対的に拡張時間が有意に延長することを確認した。細胞混入条件の最適化を行い、既知のpathwayが本実験系において再現されることを遺伝子、タンパクレベルで確認した。拡張障害の原因として、組織のstiffnessが上昇しているためと考えられた。さらに既存の心不全治療薬を用いた場合の効果を確認し、治療薬Xの同定に成功した。現在はこうした組織の対象群、心不全群、治療薬群について網羅的な解析を進めており、HFpEFの発祥および改善の機序に迫るべく研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析、2)治療薬の評価と新規治療薬の発見、3)新規心不全マーカーの発見 という順序で研究を進める方針であった。 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析については概ね完了し、3)新規心不全マーカーの発見についても本実験系において再現性の高いマーカーを同定することに成功している。 2)治療薬の評価と新規治療薬の発見について現在解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析、2)治療薬の評価と新規治療薬の発見、3)新規心不全マーカーの発見 という順序で研究を進める方針であった。 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析については概ね完了し、3)新規心不全マーカーの発見についても本実験系において再現性の高いマーカーを同定することに成功している。2)治療薬の評価と新規治療薬の発見については、既存の心不全治療薬を用いた場合の効果を確認し、治療薬Xの同定に成功した。現在はこうした組織の対象群、心不全群、治療薬群について網羅的な解析を進めており、HFpEFの発祥および改善の機序に迫るべく研究を進めている。解析の過程で重要なpathwayが同定され、細胞間の相互作用の重要性が見出されており、今後は組織全体ではなく、培養皿上でより簡易化された状態を再現し、検討を進めていく方針である。
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