研究課題/領域番号 |
23K15240
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田口 顕正 久留米大学, 医学部, 講師 (10647738)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | AGE-RAGE系 / MR発現量 / 炎症性サイトカイン / 線維化サイトカイン |
研究実績の概要 |
健常者と原発性アルドステロン患者から採取した末梢単核球のRNAを単離しRNAseqを行うためにRNA採取を行った。Quality controlを行うと、RNAseqを行うためのQualityは得られなかった。保存状態が問題だったと考えられたため、新鮮なRNAから作成していたcDNAを使用し現在qPCRにて多くのサイトカイン産生や線維化促進サイトカインの産生について測定を行っているところである。RAGEやHMGB-1などのAGEに関連するシグナルが上昇していることを確認でき、かつ、そのAGE-RAGE系に関連する シグナルとMR発現が有意に正相関することを見出した。次に炎症性サイトカインや線維化促進サイトカインレベルとAGE-RAGE系シグナル発現が正相関するか検討する予定としている。 また、MR活性化モデルであるDOCAsaltマウスの腎臓でCD3陽性T細胞やマクロファージの浸潤を評価すると、コントロール群と比べ明らかに炎症細胞の浸潤が増加していた。AGEの受容体であるRAGEをノックアウトする、もしくは抗RAGE抗体を投与しRAGEを抑制すると炎症細胞浸潤が抑制されることから、MR活性化による炎症細胞活性化はRAGEを介して惹起されていることがわかった。つまり、RAGEの抑制はMR活性化を及ぼす塩分摂取や高脂肪食摂取・肥満などの病態における慢性炎症を抑制し、臓器障害を予防する可能性があると考えられる。今後はそのメカニズム解明を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNAseqは行えなかったが、qPCRを行うことで補填している。
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今後の研究の推進方策 |
予定としていたRNAseqは、RNAの質の問題で施行できなかった。しかし、qPCRにて数多くのRNA発現量を測定しているので、その分を補填できていると考える。今後もqPCRでさらなる解析を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
RNAseqが使用できず、広範な遺伝子発現解析を代替するためにqPCRにて数多くの遺伝子発現を調べることとしている。そのための試薬やプライマーの購入に費用がかかる。
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