研究課題
常染色体優性多発性のう胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)は、両側腎臓に多数ののう胞が進行性に発生・増大し腎機能低下を来す疾患であり、透析導入に至る原因疾患の第5位に位置しているにも関わらず、現在における有効な治療薬は限られている。ADPKDは遺伝性疾患でありながら非常に多様な臨床経過を呈するなど、進展メカニズムには未解明な点が多く、新規治療開発へのボトルネックとなっている。本研究では、ADPKD患者の腎組織に対しシングルセルRNAシークエンス解析を行うことで、ADPKD進展における分子機序の全容を明らかにするとともに、ADPKD進展のマスターレギュレーターとなる鍵因子の同定を目的とする。初年度は検体取得施設における倫理申請、検体輸送の動線確認、輸送方法の最適可、細胞単離条件の最適化を行った。実際のヒト腎組織を用いた複数回の条件検討により、最適な条件を確立した。
2: おおむね順調に進展している
ヒト腎組織からの最適な細胞単離条件を確立した。
症例の組み入れに伴い腎組織の細胞単離、cDNAライブラリー合成を進める。サンプルが一定数に達した段階でシーケンスを行う方針としている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
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